アニメ『ブラックトーチ』とマンガの違いは?原作との関係を解説

我妻弐郎と黒猫の羅睺を中心にアニメ第1話から第6話と原作マンガ第1巻から第3巻を左右に並べて対応関係を比較するイメージ SF・ファンタジー・アクション
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アニメ『BLACK TORCH』は原作の骨格を守りつつ、第4話以降はマンガの章をまたいで再構成するアニメ化になっている。

2026年8月13日時点で放送済みの第6話まで照合すると、第1~3話は原作第1~3話とほぼ1対1。一方、第5話「Young Gunz」は原作第6話、第6話「Turn Up」は原作第8話と同名で、アニメ独自の話数整理がよりはっきり見えてきた。集英社 ― SHUEISHA ―+2集英社 ― SHUEISHA ―+2

アニメ『BLACK TORCH』と原作マンガの違いは?第6話までの対応を先に整理

「アニメ版って原作マンガとストーリーが変わってるの?」

まず、この疑問への答えからいこう。

大筋の設定や物語は原作と共通。ただし、マンガの1章をアニメ1話として機械的に映像化しているわけではない。

主人公・我妻弐郎が忍者の末裔で動物と話せること、傷ついた黒猫・羅睺と出会うこと、羅睺が「黒き凶星」と呼ばれた伝説の物ノ怪であること、公儀隠密局と《黒の灯火》が物語へ関わってくることなど、根幹部分は原作とアニメで共通している。Black Torch+1

原作第1巻の紹介でも、弐郎は傷ついた羅睺を守ろうとして敵に胸を貫かれ、その後に羅睺との融合へ進む。

つまり、「少年と物ノ怪が出会い、力を共有しながら人間側の組織にも巻き込まれていく」という物語そのものを別作品へ作り替えたアニメ化ではない。集英社 ― SHUEISHA ―

では、どこが違うのか。

2026年8月13日時点で放送済みの第6話までを、まず一覧で整理するとこうなる。

アニメ 放送日 原作マンガとの主な対応 ポイント
第1話「未来は俺等の手の中」 7月4日 第1巻・第1話 タイトルも一致。弐郎と羅睺の出会い
第2話「The Choice Is Yours」 7月11日 第1巻・第2話 タイトルも一致。公儀隠密局へ接続
第3話「WHAT’S MY NAME?」 7月18日 第1巻・第3話 タイトルも一致。第1巻をアニメ3話で展開
第4話「たりないふたり」 7月25日 第2巻・第4話中心+その先へ 零司との決闘から初任務まで進む
第5話「Young Gunz」 8月1日 第2巻・第6話と同名 原作第5話とアニメ話数の数字がズレる
第6話「Turn Up」 8月8日 第2巻第7話~第3巻第8話付近 タイトルは原作第8話と一致。再構成がさらに明確

アニメは2026年7月4日からTOKYO MXなどで毎週土曜に放送されており、8月8日には第6話「Turn Up」が放送された。第6話では芙蓉による妖術対抗訓練が描かれ、零司と一華がそれぞれ心の傷と向き合う一方、弐郎の前には巨大な黒い物ノ怪が現れる。Black Torch+1

ここが前の記事から更新すべき最大のポイントだった。

第5話まで見るだけでも「章の区切りを変えている」ことは分かったけど、第6話まで来ると、それがより鮮明になる。

原作第2巻は、

  • 第4話「たりないふたり」
  • 第5話「証言」
  • 第6話「Young Gunz」
  • 第7話「BLACK BOX」

という構成。続く第3巻は第8話「Turn Up」から始まる。集英社 ― SHUEISHA ―+1

ところがアニメは、

**第4話「たりないふたり」

→第5話「Young Gunz」

→第6話「Turn Up」**

と進んでいる。

つまり、原作の章タイトルだけを見ると「証言」と「BLACK BOX」がアニメの独立した同名エピソードにならず、その前後の回へ内容が再配置されている構造が見えてくるんだ。

ただし、ここは大事なので慎重に言っておきたい。

「原作第5話と第7話が丸ごとカットされた」という意味ではない。

タイトルが採用されなかったことと、内容そのものが削除されたことは別問題だからね。

むしろ第4話後半から初任務へ入り、第6話では妖術対抗訓練や一華・零司の過去へ踏み込んでいることを考えると、原作の出来事を削除するというより、アニメ1話ごとのドラマに合わせて境界線を引き直していると見るほうが自然だ。

僕はこの違いを、『BLACK TORCH』アニメ版を理解するうえで一番重要なポイントだと思ってる。


第1~3話は原作第1巻とほぼ1対1。どこまで同じ?

第1~3話については、かなり分かりやすい。

集英社の原作第1巻には、

第1話「未来は俺等の手の中」

第2話「The Choice Is Yours」

第3話「WHAT’S MY NAME?」

の3話が収録されている。集英社 ― SHUEISHA ―

そしてアニメ第1~3話も、まったく同じタイトルを順番に使っている。

だから原作第1巻については、

**原作第1話→アニメ第1話

原作第2話→アニメ第2話

原作第3話→アニメ第3話**

という理解で大きく迷わない。

第1話「未来は俺等の手の中」は弐郎と羅睺の関係をそのまま土台にする

第1話の中心は、我妻弐郎と羅睺の出会い。

弐郎は忍者の末裔として祖父に育てられ、生まれつき動物と会話できる能力を持っている。

ある日、森で傷だらけの黒猫を見つける。

その黒猫こそ羅睺。

普通の猫に見えるけど、実際はかつて「黒き凶星」と呼ばれた強大な物ノ怪だ。

弐郎は羅睺を追う敵から守ろうとし、自分の命まで危険にさらしてしまう。

原作第1巻の紹介でも、弐郎が追手から羅睺を守ろうとして胸を貫かれるところまで明記されている。アニメ公式のINTRODUCTIONも、弐郎と傷ついた羅睺の出会いを物語の起点にしている。集英社 ― SHUEISHA ―+1

※画像はAIによるイメージ

この第1話、僕は『BLACK TORCH』を理解するうえでかなり重要だと思ってる。

なぜなら弐郎は、強い力が欲しくて羅睺を助けたわけじゃないから。

ここ、順番がめちゃくちゃ大事。

「強大な物ノ怪と契約して俺も最強になるぞ!」

ではない。

先にあるのは、傷ついた生き物を見捨てられない弐郎の性格だ。

その選択の“後”に羅睺の力がやってくる。

少年バトル作品で主人公に特殊能力を与える場合、能力そのものが主人公を特別にすることは多い。

でも『BLACK TORCH』では、能力を得る前の行動によって弐郎が主人公である理由を示している

この基本設計がアニメでも残っている。

だから第1話の時点では、「設定を大胆に変えたアニメ化」というより、かなり原作の思想を大事にしている印象が強いんだ。

第2話「The Choice Is Yours」で個人の事件から組織の物語へ

第2話「The Choice Is Yours」も、原作第2話と同じタイトル。

羅睺との融合によって普通の高校生ではいられなくなった弐郎が、公儀隠密局という巨大な仕組みへ巻き込まれていく。

ここで作品のスケールが変わる。

第1話までは、

「弐郎と羅睺」

という二人の物語だった。

そこから、

「物ノ怪を人間社会はどう扱っているのか」

「羅睺の力を持った弐郎を組織はどう見るのか」

という世界そのものの問題へ広がっていく。

脚本的に言えば、第1話は“事件発生”。

第2話は“その事件がこの世界で何を意味するのか”。

この二段階なんだよね。

アニメ版が第2話でも原作タイトルをそのまま受け継いだことで、第1巻の章構造はかなり素直に映像化されている。

第3話「WHAT’S MY NAME?」まで第1巻の構造を維持

第3話「WHAT’S MY NAME?」も原作第3話と同名。

アニメでは保護対象となった弐郎が鬼子母神一華の護衛で隠密局へ向かう途中、護送車を襲撃される。

物ノ怪を嫌う一華と、物ノ怪である羅睺を受け入れている弐郎。

この価値観の違いが戦闘の中でぶつかっていく。番組情報でも、一華が物ノ怪を嫌う背景や、弐郎との共闘へ進む流れが紹介されている。Prime Video

ここまでが原作第1巻。

つまりアニメ第1~3話だけを見るなら、視聴者が「ほぼ原作どおりじゃん」と感じるのは自然だ。

ただし、この安心感があるからこそ、第4話以降の再構成が面白くなってくる。


第4~6話で何が変わった?「1章=アニメ1話」が崩れる

『BLACK TORCH』の原作とアニメの違いが本格的に見えてくるのは、第4話から。

しかも第6話まで見ると、これは一度だけの例外ではなく、TVアニメ全体の構成方針として考えたほうがよさそうだ。

第4話「たりないふたり」は原作第4話から初任務まで進む

アニメ第4話「たりないふたり」は、原作第2巻の第4話と同じタイトル。

中心になるのは、弐郎と《黒の灯火》へ加わった桐原零司の衝突だ。

物ノ怪・羅睺と同化した弐郎を快く思わない零司。

そんな二人に対し、司場涼介は決闘をさせる。

公式の第4話紹介では、この勝負が弐郎の適性を確かめる意図を持っていたことが説明されている。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

ここまでは原作第4話との対応がかなり分かりやすい。

でもアニメ第4話は、それだけでは終わらない。

弐郎と零司は最後には意地の殴り合いになり、勝負は引き分け。

そしてその後、弐郎、一華、零司の3人が初任務へ向かう。

向かった先は、かつて羅睺が封印されていた場所だ。配信ページの公式エピソード説明でも、決闘後に3人が初任務へ出発するところまで第4話に含まれている。Prime Video+1

一方、原作第2巻は第4話「たりないふたり」の次に、第5話「証言」がある。集英社 ― SHUEISHA ―

ここで初めて、

マンガの章末とアニメのエピソード末が一致しない

状態が見えてくる。

※画像はAIによるイメージ

僕が面白いと思うのは、単純に「尺を短くしました」では説明しきれないところ。

第4話の中で、

**弐郎VS零司

互いの実力を知る

少しだけ距離が縮まる

そのまま同じ任務へ**

と進む。

これによって視聴者の興味が、勝敗から人間関係へ自然に移動するんだ。

最初は、

「弐郎と零司、どっちが強い?」

だった問いが、後半では、

「この二人、本当に一緒に戦えるの?」

に変わる。

僕はこの“問いの差し替え”がアニメ版のかなり上手いところだと思ってる。

第5話「Young Gunz」で原作話数とのズレが決定的になる

第5話は2026年8月1日に放送された「Young Gunz」。

羅睺が封印されていた殺生石のある地下空間で、弐郎と零司の前に物ノ怪・咬牙が出現する。

咬牙は羅睺を狙い、弐郎と零司は戦闘へ。

一方、外では特務一課の久澄陶子と時枝蛮十郎が、咬牙の張った結界を破ろうと動く。プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES

ここで原作を確認すると、かなり分かりやすいズレがある。

原作第2巻の目次は、

第4話「たりないふたり」

第5話「証言」

第6話「Young Gunz」

第7話「BLACK BOX」

となっている。集英社 ― SHUEISHA ―

つまり、

アニメ第5話「Young Gunz」=原作第6話と同じタイトル

なんだ。

アニメ第5話だから原作第5話、ではない。

この時点で「マンガ1章をアニメ1話へ順番に当てはめている作品ではない」ことがはっきりする。

ただし、「原作第5話『証言』は完全カット」と断定するのは早い。

第4話の時点ですでに初任務へ進んでいる以上、原作の章境界がアニメ内で移動している可能性がある。

だから正確には、

原作第5話という“章タイトル”はアニメの独立回にはなっていないが、その内容まで丸ごと省かれたとはタイトル比較だけでは判断できない

というのが安全な言い方。

この区別、SEO記事では地味だけどめちゃくちゃ大事。

「タイトルが飛ばされた」と「ストーリーがカットされた」を一緒にすると、検索した読者へ誤情報を渡してしまうからね。

第6話「Turn Up」で再構成がさらに大きく見える

そして今回、前の記事から最も重要な更新点が第6話。

2026年8月8日に放送された第6話のタイトルは「Turn Up」。Bangumi+1

ちょっと待って。

原作第2巻の次の話は第7話「BLACK BOX」だったよね?

そう。

原作で「Turn Up」は、第3巻の第8話なんだ。集英社の第3巻目次でも、第8話「Turn Up」が巻頭に収録されている。集英社 ― SHUEISHA ―+1

つまりタイトルだけ並べると、

原作第6話「Young Gunz」

原作第7話「BLACK BOX」

原作第8話「Turn Up」

に対し、

アニメ第5話「Young Gunz」

アニメ第6話「Turn Up」

となる。

第7話「BLACK BOX」が、アニメの同名独立回としては挟まっていない。

でも第6話の内容を見ると、「BLACK BOX」周辺の展開が消えたと考えるのも違う。

第6話では、弐郎、一華、零司が物ノ怪・芙蓉から妖術対抗訓練を受ける。

幻影空間のような結界から脱出する試練の中で、零司と一華はそれぞれ自分のトラウマと向き合う。

そして弐郎の前には、巨大な黒い物ノ怪が出現する。Bangumi

原作第7話「BLACK BOX」にも、一華が過去の傷を幻覚として突きつけられる展開が含まれていることが確認できる。続く第3巻では、妖術対抗訓練の幻覚世界を舞台に弐郎と羅睺が天鬼へつながる過去へ踏み込んでいく。アットウィキ+1

だから第6話は、

「原作第7話を飛ばして第8話だけをアニメ化した」

というより、

第7話から始まる妖術対抗訓練の流れをまとめながら、第8話「Turn Up」へ接続する一本のTVエピソードへ再構成している

と見るほうが内容に合っている。

ここまで来ると、第4話の再構成は偶然じゃない。

第4~6話まで継続して、原作の章とTVアニメの話数を別々に設計していることが分かる。


原作『BLACK TORCH』は全5巻・19話。アニメはどこまで進む?

原作『BLACK TORCH』はタカキツヨシによるマンガで、コミックスは全5巻で完結している。

集英社では第1巻が2017年4月4日、第2巻が2017年8月4日、第3巻が2017年12月4日、第4巻が2018年4月4日、第5巻が2018年8月3日に紙版発売となっている。集英社 ― SHUEISHA ―

少年ジャンプ+では第19話まで掲載されており、最終話は第19話「ONCE AGAIN」。

原作は全19話だ。ジャンプSQ. | 集英社+1

※画像はAIによるイメージ

巻ごとの章構成を見ると、かなり整理しやすい。

第1巻は第1~3話。

第2巻は第4~7話。

第3巻は第8~11話。

第4巻は第12~15話。

第5巻は第16~19話。

第3巻には第8話「Turn Up」、第9話「SPECIAL FORCE」、第10話「3 ON THREE」、第11話「Under dog」が収録されている。集英社 ― SHUEISHA ―

ということは、アニメ第6話のタイトルだけ見れば、すでに第3巻へ入ったことになる。

ただし、これも「第2巻の全内容を完全消化した」という意味ではない。

むしろ今回の比較で分かったのは、巻数や話数だけでアニメの進行度を測るとズレるということ。

第6話「Turn Up」では原作第7話付近から続く妖術対抗訓練も扱われている。

だから、

「アニメ第6話=原作第8話をそのまま全部映像化」

と数字だけで考えるより、

「アニメ第6話=原作第7~8話付近をTVアニメ用に再編集した区間」

と捉えたほうが分かりやすい。

では、アニメは原作最終話まで行くのか。

2026年8月13日時点では、国内公式情報だけから原作第19話まで映像化すると断定するのは避けたほうがいい。

公式サイトでは7月4日から毎週土曜放送と案内されており、8月8日までに第6話が放送済み。8月13日時点では、その第6話が最新の放送済みエピソードになる。Black Torch+1

原作は全5巻だから、「1クールなら最後まで行けるんじゃない?」と思う人もいるはず。

確かに作品のボリュームだけを見れば、完結まで映像化する余地を想像したくなる。

しかもアニメは原作1章を必ず1話使う方式ではなく、第4~6話ですでに複数章の境界を整理している。

単純にマンガ19話=アニメ19話ではない。

ただ、だからといって、

「このペースなら全5巻確定」

とも言えないんだよね。

今後、羅睺の過去や天鬼との因縁、より大きな戦闘へ入れば、逆に一つのエピソードへ時間を使う可能性もある。

アニメ化って、ページ数を一定速度で消化する作業じゃない。

会話中心の章は速く進められる一方、大きなバトルは映像で動きを足すことで尺が伸びることもある。

だから今後「アニメは原作の何巻まで?」を追うなら、僕は話数よりイベント単位で見ることをおすすめする。

「第何話まで進んだか」だけではなく、

**誰と出会ったか。

どの戦闘が終わったか。

どの過去が明かされたか。

次の章の出来事が前倒しされていないか。**

ここを見る。

『BLACK TORCH』では、その見方のほうがアニメと原作をずっと正確に照合できる。


なぜ『BLACK TORCH』アニメ版は原作を再構成する?原作者監修から見える方針

じゃあ、なぜこんな構成にしているのか。

大きなヒントになるのが、原作者・タカキツヨシ自身のアニメ制作への関わりだ。

アニメ公式サイトに掲載されたコメントで、タカキツヨシは設定や絵コンテを監修していることを明かし、原作を最大限尊重しながらアニメとしてより良い形へ再構築されているという趣旨を説明している。Black Torch

これ、かなり重要だと思う。

「原作を尊重する」と「マンガを1コマずつそのままアニメにする」は同じじゃない。

むしろ『BLACK TORCH』の場合、公式側から最初から「アニメとして再構築する」という姿勢が示されている。

だから第4話から章の境界が動いたことも、制作方針から大きく外れたものではないんだ。

監督は馬引圭。

シリーズ構成・脚本は市川十億衛門。

キャラクターデザインは鈴木豪。

アニメーション制作は100studioが担当する。Bangumi

ここで以前の記事では、「第4話以降の再構成に市川十億衛門の仕事がかなり表れている」と少し強めに書いていた。

でも、そこは一段慎重にしたほうがいい。

シリーズ構成という役職はTVシリーズ全体の物語設計と深く関係するけど、特定の章をどの回へ移す判断を誰が単独で決めたかまでは公開情報だけでは分からない

だから正確には、

「シリーズ構成・脚本という役割上、市川十億衛門を含む制作側のTVシリーズ向け設計が反映されていると考えられる」

くらいの言い方が適切だと思う。

※画像はAIによるイメージ

マンガとTVアニメでは、そもそも“区切り”の意味が違う。

マンガは読者自身が読む速度を決められる。

好きなページで止まれる。

気になったコマへ戻れる。

一気に次の章へ行くこともできる。

一方、TVアニメは約30分の番組枠の中で、

「今回は何の話だったのか」

を一本のドラマとして成立させなきゃいけない。

そこで重要になるのが、エピソードの出口。

たとえば第4話。

決闘だけで終えると、エピソードの中心は完全に「弐郎VS零司」になる。

でも初任務まで続ければ、

「対立していた二人がチームとして行動する」

ところまで描ける。

同じ原作の出来事でも、意味が少し変わるんだ。

第6話も同じ。

一華と零司それぞれの心の傷を見せたうえで、弐郎の試練を巨大な黒い物ノ怪へ接続する。

すると回全体が、

《黒の灯火》メンバーがそれぞれ何を背負って戦っているのか

を見せるエピソードになる。

原作の章番号より、TVアニメ1本としてのテーマを優先して切る。

少なくとも第4~6話を見る限り、そんな構成意識がかなり強く感じられる。

そしてアニメには、原作には存在しない「時間」がある。

我妻弐郎役は鈴木崚汰。

羅睺役は上田燿司。

鬼子母神一華役は千本木彩花。

桐原零司役は榎木淳弥。

司場涼介役は諏訪部順一、宇佐美花役は上田麗奈、天鬼役は森川智之、咬牙役は岡本信彦が担当する。Bangumi

マンガでは読者が自分のテンポで台詞を読む。

アニメでは声優の演技、間、呼吸、BGM、効果音、カメラの切り替えが“読む速度”を決める。

だから同じ台詞でも印象は変わる。

弐郎と零司の関係なんて特にそう。

ただ怒鳴り合っているだけなのか。

本気で嫌悪しているのか。

ムカついているけど実力は認め始めているのか。

そういう微妙な温度差を、声と間で見せられる。

原作者コメントでも、マンガになかった声・音・動き・色が加わることがアニメ版の魅力として示されている。Black Torch

だから『BLACK TORCH』の原作との違いを見るときは、

「何が削られた?」

だけを探すより、

**「なぜここで区切った?」

「なぜこの出来事を同じ回へ入れた?」

「映像化によって誰の感情が強調された?」**

まで見ると、一気に面白くなるよ。


考察|アニメ版『BLACK TORCH』で本当に変わったのは「物語の重心」

ここからは僕なりの考察として読んでね。

第1~6話を原作の章構成と並べて、僕が一番面白いと思ったのは、出来事そのものより「どこを一つの物語としてまとめるか」が変わっていること。

これ、脚本ではかなり大きな違いなんだ。

同じA、B、Cという出来事があったとする。

マンガでは、

Aで章終了。

次の章でB。

さらに次でC。

だったとしても、アニメではA→Bまでを一本にして、次回をCから始めることができる。

出来事の順番が大きく変わらなくても、視聴者がその回から持ち帰る“意味”は変わる。

第4話がまさにそう。

弐郎と零司の決闘だけで終われば、

「ライバル同士がぶつかった話」

になる。

でも、そのまま初任務へ行くと、

「ぶつかった二人が仲間として試され始めた話」

になる。

勝敗より関係性へ重心が動くんだ。

僕はここに、アニメ版『BLACK TORCH』の特徴がかなり出ていると思う。

そして、この見方で第6話を見るとさらに面白い。

第6話では芙蓉による妖術対抗訓練を通じて、零司、一華、弐郎がそれぞれ違う形で試される。

一つの組織に所属していても、抱えている過去は同じじゃない。

同じ敵を殴っていれば仲間になるわけでもない。

一華には一華の理由がある。

零司には零司の理由がある。

弐郎には弐郎の理由がある。

バラバラの人間が、それでも同じ《黒の灯火》として戦えるのか。

アニメは第4話以降、この問いを原作よりTVシリーズとして見えやすい形に整理しているように僕には感じられる。

ここで作品タイトルを思い出したい。

タイトルは『我妻弐郎』でも『羅睺』でもない。

『BLACK TORCH』だ。

もちろん物語の中心は弐郎と羅睺。

でも弐郎が公儀隠密局特務二課《黒の灯火》へ入り、一華や零司たちと関係を築くことで、物語はバディものからチームものへ広がっていく。アニメ公式のキャラクター紹介でも、弐郎が羅睺との出会いをきっかけに《黒の灯火》の一員になることが示されている。Black Torch

だから僕は、第4話で決闘と初任務を一つにつないだことを、単なる尺調整とは見ていない。

第6話で複数人の試練を一本へまとめたことも同じ。

アニメは早い段階から、

「弐郎はどれくらい強いのか」

だけじゃなく、

「弐郎はこのチームの中でどう生きるのか」

を見せようとしている。

この違いは、作品の“重心”の置き方としてかなり面白い。

もう一つ、忘れちゃいけないのが羅睺との関係。

設定だけ説明すると、

「忍者の末裔の少年が強大な物ノ怪と融合して戦う作品」

になる。

これだけ聞けば、かなり王道だ。

でも『BLACK TORCH』の個性は、弐郎が力を求めて羅睺へ近づいたわけじゃないところにある。

傷ついていたから助けた。

敵に狙われても守った。

その結果、羅睺が弐郎へ借りを返す形で関係が生まれた。

つまり弐郎と羅睺の関係は、最初から「力を貸してくれ」「いいぞ」という契約じゃない。

先に行動があり、後から絆と力が生まれている。

僕はここがすごく好きなんだ。

だからこそ、アニメ版がチーム形成を少し早いテンポでつないでいく構造とも相性がいい。

弐郎は相手の肩書を見て仲間になるタイプじゃない。

まずぶつかる。

まず助ける。

まず行動する。

零司ともそう。

一華ともそう。

羅睺ともそうだった。

考えてみると『BLACK TORCH』って、「理解してから一緒にいる」のではなく、「一緒に行動する中で理解していく」物語なんだよね。

第4話で喧嘩した直後の弐郎と零司を初任務へ出したのは、まさにその構造。

第6話ではさらに、それぞれが他人には簡単に見せられない過去や弱点と向き合っていく。

ここまで見ると、アニメ版の再構成は原作のテーマを変えるためというより、そのテーマを毎週30分のドラマとして立ち上げるための整理と考えるとしっくりくる。

もちろん、今後さらに話数が進めば評価は変わる可能性がある。

大きな省略が出てくるかもしれない。

逆に、アニメ独自の補足が加わるかもしれない。

原作終盤まで行くかも現時点では断定できない。

でも少なくとも第6話までを見る限り、「原作を雑に飛ばしている」という見方だけでは説明しにくい。

第1~3話で原作の入口を丁寧に見せ、第4話以降でTVシリーズとしてのリズムを作り始めた。

僕は今のところ、そんなアニメ化に見えている。


まとめ|『BLACK TORCH』原作との違いは「カット」より「再配置」に注目

アニメ『BLACK TORCH』と原作マンガは、我妻弐郎と羅睺の出会い、公儀隠密局、《黒の灯火》といった物語の根幹は共通している。

一方、2026年8月13日時点で放送済みの第6話まで比較すると、話数構成には明確な違いが出てきた。

第1~3話は原作第1~3話とほぼ1対1。第4話から章の境界をまたぐ構成になり、第5話「Young Gunz」は原作第6話、第6話「Turn Up」は原作第8話と同じタイトルになっている。Bangumi+3集英社 ― SHUEISHA ―+3集英社 ― SHUEISHA ―+3

ただし、原作第5話「証言」や第7話「BLACK BOX」が同名のアニメ回になっていないからといって、「丸ごとカット」と判断するのは早い。

特に第6話では妖術対抗訓練や一華・零司の試練が描かれており、原作の複数章をまたぐ材料が一つのアニメ回へ整理されている。

だから『BLACK TORCH』アニメ版を見るときのポイントは、

「原作の何話を消したか」ではなく、「原作の出来事をどんな一本のドラマへ組み直したか」

を見ること。

原作者タカキツヨシ自身もアニメの設定や絵コンテを監修し、原作を尊重しつつアニメ向けに再構築する姿勢を示している。Black Torch

個人的には、この“再編集型”の作り方は『BLACK TORCH』とかなり相性がいいと思う。

弐郎と羅睺だけだった物語が、一華、零司、司場、宇佐美らを含む《黒の灯火》の物語へ広がっていく。

章の境界を動かすことで、そのチームができていく速度と緊張感をTVアニメ向けに強めている

今後も原作との違いを追うなら、話数の数字だけではなく、「どの出来事まで進んだか」を見比べるのが一番分かりやすいよ。


よくある質問

アニメ『BLACK TORCH』は原作マンガとストーリーが違う?

物語の基本設定や大筋は共通している。

ただし第4話以降は、マンガの章をそのまま1章=アニメ1話にせず、複数章の内容をまたいでTVアニメ向けに再構成している。

アニメ第6話「Turn Up」は原作の何話?

タイトルは原作第3巻の第8話「Turn Up」と同じ。

ただしアニメ第6話では妖術対抗訓練や一華・零司の幻影試練も描かれているため、内容としては原作第7話「BLACK BOX」から第8話へつながる区間として見るのが分かりやすい。集英社 ― SHUEISHA ―+1

『BLACK TORCH』の原作は全何巻?アニメは最後までやる?

原作マンガは全5巻・全19話で完結している。集英社 ― SHUEISHA ―+1

ただし2026年8月13日時点では、アニメが原作最終話まで描くと断定できる国内公式情報は確認できない。第6話までですでに章の再構成が行われているため、「アニメ○話=原作○話」という単純計算ではなく、今後の実際のエピソード進行を確認するのが確実だ。

神崎 悠真

アニメ批評家|脚本研究家|ファンマーケター

SF・ファンタジー・アクション
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