『スーパーの裏でヤニ吸う2人』アニメの主題歌・曲は?楽曲情報をまとめて解説

スーパーの裏で会話する佐々木と田山の周囲にTV版とABEMA版の4曲を象徴する音楽モチーフが浮かぶイメージ アニメ作品
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アニメ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』のTV版主題歌は、OP「イチジク煙」、ED「Fiction」。ABEMA先行版では別の2曲が使われる。

TV放送版とABEMA限定先行配信版を合わせると主題歌は4曲あり、同じアーティストがそれぞれ異なる楽曲を担当しているのが大きな特徴だ。

「スーパーの裏でヤニ吸う2人 アニメ 主題歌」「ヤニすう OP ED」で検索してきた人向けに、まず4曲の違いを整理しておこう。

使用版 楽曲 アーティスト ポイント
TV放送版OP 「イチジク煙」 ずっと真夜中でいいのに。 2026年6月11日のメインPV第2弾で曲名を明示
TV放送版ED 「Fiction」 imase 原作を踏まえて制作された書き下ろし曲
ABEMA限定先行配信版OP 「クズリ念」 ずっと真夜中でいいのに。 既存曲を使用
ABEMA限定先行配信版ED 「NIGHT DANCER」 imase 既存曲を使用
劇中音楽 オリジナル劇伴 河野伸、青木沙也果 本編の空気を支える音楽

さらに配信日は、「イチジク煙」が2026年7月6日、「Fiction」が2026年7月9日

TVアニメ本編は2026年7月9日23時56分からTBS系28局で全国同時放送が始まっている。

一方、ABEMA限定先行配信版はそれより早い2026年6月3日20時30分からスタート。TV放送版第1〜6話の内容を、約10分のショート版として全12話に再編集した特別バージョンだ。

つまり検索してOPやEDが2種類ずつ出てきても、情報が食い違っているわけじゃない。

TV放送版とABEMA限定先行配信版で主題歌そのものが違う

この記事では、4曲の使い分け、発表時期、書き下ろしか既存曲かという事実を中心に整理しつつ、なぜこの音楽設計が『ヤニすう』にハマるのかまで掘り下げていく。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』アニメ主題歌は?TV版OP・EDを確認

TVアニメ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の主題歌は、OPがずっと真夜中でいいのに。「イチジク煙」、EDがimase「Fiction」だ。

アニメ公式サイトでは2026年3月28日、メインキービジュアルやメインPV第1弾などの公開とあわせて、OPをずっと真夜中でいいのに。、EDをimaseが担当することが発表された。

この段階では「誰が歌うか」が先に明らかになり、OP「イチジク煙」の曲名はその後、2026年6月11日に公開されたメインPV第2弾で明示されている。

ここは以前の記事で「5月22日にタイトル発表」としてしまうと時系列を誤るポイントなので、整理して覚えておきたい。

そしてED「Fiction」は、imaseが原作を読んだうえで作品のために制作した書き下ろし曲。

主題歌2曲は同じ2026年7月に順次配信され、「イチジク煙」は7月6日、「Fiction」は7月9日にリリースされた。

アニメ本編も7月9日23時56分からTBS系28局でスタートしているため、TV放送開始週に主題歌2曲がそろった形だ。

原作は地主による漫画『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』。

物語の中心にいるのは、仕事に疲れた会社員・佐々木と、彼が通うスーパーで働く山田だ。

佐々木にとって山田は、疲れた仕事帰りに優しく接客してくれる癒やしの存在。

ところがスーパーの裏にある喫煙スペースでは、少しラフな雰囲気の女性・田山と会話を重ねるようになる。

そして視聴者は早い段階から知ることになる。

山田と田山は同一人物だ。

アニメでは山田/田山を星希成奏、佐々木を佐藤拓也が担当している。

「店員と客」として会う表側の関係と、「喫煙スペースで話す二人」としての裏側の関係。

同じ二人なのに、場所と役割が変わるだけで距離感まで変わってしまう。この二重性こそ、『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の物語を支える大きな仕掛けなんだ。

だから主題歌にも、単に明るいとか切ないとかではなく、人と人の距離がまだ言葉にならない状態をどう包むかが求められる。

僕はそこに、ずっと真夜中でいいのに。とimaseを並べた意味があると感じている。

※画像はAIによるイメージ

OP「イチジク煙」はいつ発表?ずっと真夜中でいいのに。が担当

TV放送版のOPは、ずっと真夜中でいいのに。の「イチジク煙」

アニメ公式サイトでは2026年3月28日にOPアーティストとしてずっと真夜中でいいのに。の参加が発表され、曲名「イチジク煙」は2026年6月11日のメインPV第2弾公開時に明らかになった。

そして楽曲は2026年7月6日に配信開始。

ここで注意したいのは、「イチジク煙」を安易に「アニメ書き下ろし」と断定しないことだ。

アニメ公式情報上、ED「Fiction」は書き下ろしであることが明確に説明されている一方、「イチジク煙」についてはTV放送版OPとして紹介されている。

そのためこの記事では、確認できる事実に合わせて「TV放送版OP」として整理しておく。

原作者・地主とACAねには以前から交流があった

「イチジク煙」を語るうえで重要なのが、原作者・地主と、ずっと真夜中でいいのに。のACAねとの以前からの接点だ。

アニメ公式サイトの2026年3月28日の発表では、地主が以前からずっと真夜中でいいのに。のライブへ複数回足を運んでおり、ACAねと交流があったことが紹介されている。

つまり今回のOP起用は、アニメ化の段階で初めて作品とアーティストが出会った、という単純な話ではない。

原作者がもともと親しんでいたアーティストが、自身の作品のアニメ化でOPを担うことになった。

この背景を知るだけでも、タイアップの見え方は少し変わるよね。

さらにACAねはコメントの中で、自身は喫煙者ではない一方、以前から煙を見ることへの興味があったという趣旨にも触れている。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』において、煙は単なる小道具ではない。

煙草に火をつけてから吸い終わるまでの数分間が、そのまま佐々木と田山が同じ場所にいられる時間になるからだ。

僕はこの作品で重要なのは「煙草そのもの」以上に、煙草を吸っている間だけ自然に成立する会話の時間だと思っている。

佐々木と田山は、最初から深い関係を約束された二人じゃない。

それでも「じゃあ一服するか」という理由があれば、数分だけ同じ場所に立っていられる。

恋愛作品では、キャラクターを近づけるためにデートや事件、共通の目的を置くことが多い。

でも『ヤニすう』は、それを喫煙スペースという極端に小さな舞台でやる。

言ってしまえば、煙草一本分の時間が二人の関係を少しずつ動かしていくんだ。

だから僕には「イチジク煙」という曲名にある「煙」が、形をつかめそうでつかめない二人の現在地とも重なって見える。

これは公式が示した解釈ではなく、作品と曲名を踏まえた筆者としての読み方だ。

ただ、「煙草が出てくる作品だから煙の曲」という表面的な一致より、時間や関係性まで含めて見るとOPの役割がずっと面白くなる。

ずっと真夜中でいいのに。と『ヤニすう』の相性

ずっと真夜中でいいのに。は、ACAねを中心に展開する音楽プロジェクト。

2018年公開の「秒針を噛む」をきっかけに広く知られ、アニメ作品では『チェンソーマン』第2話ED「残機」など複数のタイアップも手がけてきた。

ただ、『ヤニすう』との相性を考えるときに重要なのは知名度よりも、感情を一つの言葉に固定しすぎない楽曲表現だと僕は思う。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』も、「この二人は今こういう感情です」と毎回説明してくれる作品ではない。

視線。

言葉の間。

何気ない冗談。

妙に長く続く沈黙。

そこから視聴者が「あれ、今ちょっと意識した?」と拾っていく。

だから、答えを強く言い切る音楽より、聴いた側に解釈の余地を残す音楽の方が作品の呼吸に合いやすい。

OPは物語が始まる前に視聴者の感情を準備する場所だ。

「イチジク煙」は、佐々木と田山の関係に答えを与えるというより、これから始まる曖昧な時間へ入るための入口として機能しているように感じられる。


ED「Fiction」はimaseの書き下ろし曲|2026年7月9日配信

TV放送版EDは、imase「Fiction」

こちらはアニメ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』のために制作された書き下ろし楽曲で、2026年7月9日に配信が始まった。

アニメ公式サイトの2026年3月28日の発表では、imaseがEDを担当することが告知され、メインPV第1弾でも楽曲の一部が使用された。

imase自身の公式コメントで注目したいのは、アニメ主題歌の依頼を受けて初めて原作を知ったわけではないという点。

imaseは以前から原作漫画を読んでいたことを明かしている。

そして楽曲制作にあたり、会社員の佐々木とスーパーで働く山田/田山が、他の人には見せないような会話を二人だけで共有していく関係へ目を向けている。

社会では別々の役割を持って暮らしている二人。

相手のことを全部知っているわけでもない。

でも、だからこそ気楽に話せることがある。

さらに会うことが少し楽しみになれば、それまでと同じ毎日でも「次の日」がほんの少し違って見える。

imaseはそうした原作の空気を踏まえ、ポップさの中に大人っぽさを感じられる曲として「Fiction」を制作したことを説明している。

ここは主題歌記事でかなり重要だ。

原作の人物関係を理解したうえで書かれたEDだからこそ、単なる恋愛ソングとして聴くより、本編を見終わった直後に聴くことで意味が増していく。

※画像はAIによるイメージ

「Fiction」は佐々木の中にある二つの人物像とも重なる

ここからは僕の解釈だ。

「Fiction」というタイトルは、『ヤニすう』の構造とかなり面白く重なる。

佐々木にとって「山田さん」は、スーパーの売り場で優しく接客してくれる憧れに近い存在。

一方の「田山さん」は、店の裏で一緒に煙草を吸いながら遠慮なく話せる女性だ。

でも視聴者は知っている。

二人は同じ人物。

つまり佐々木の中では、一人の女性について別々の人物像が同時に作られていることになる。

これは単純な「嘘」ではない。

人間は誰かの一面を見て、「きっとこういう人なんだろう」と心の中で人物像を組み立てる。

職場で知っている人。

友人として知っている人。

家族が知っている人。

同じ人物でも、見る場所が変われば印象は違う。

だから僕は「Fiction」を、ただの作り話という意味だけでなく、人が相手について心の中で作る“物語”として捉えると本作にぴったりだと感じる。

佐々木が知っている山田。

佐々木が知っている田山。

そして視聴者が知っている山田/田山。

その情報差があるから、同じセリフでも見え方が変わる。

脚本的に言えば、これはかなり強い仕掛けなんだ。

視聴者だけが一歩先の情報を持っているため、「佐々木、そこ気づかないのかよ」と笑える一方、山田/田山側の細かな反応も拾える。

ED「Fiction」が本編後に流れることで、その回で佐々木が見ていた彼女の姿が、本当はどのくらい全体像に近かったのかを考え直せる。

ここに僕は、OPとの役割の違いを感じている。

OP「イチジク煙」は、答えの出ていない関係へ視聴者を連れていく。

ED「Fiction」は、その回で見た相手の姿をもう一度考え直させる。

同じ「曖昧さ」を扱っていても、入口と出口では仕事が違う。

この役割分担で見ると、主題歌2曲が作品構造の両側を支えているように見えてくる。

imaseは活動休止中だが「Fiction」は休止前に制作

時系列で混乱しやすいポイントも押さえておこう。

imaseは公式案内で、2025年8月4日からアーティスト活動を休止している。

それに対してTVアニメ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』は2026年7月放送開始。

そのため、「活動休止中なのに2026年アニメの書き下ろし新曲を作ったの?」と疑問に思う人もいるはずだ。

しかし「Fiction」は、imaseが活動休止へ入る前に制作された楽曲として案内されている。

つまり2026年のアニメ放送に合わせて活動を再開し、新たに制作したという意味ではない。

ここは事実関係を分けて理解しておきたい。

また、imaseといえば2022年8月にリリースされた「NIGHT DANCER」を思い浮かべる人も多いだろう。

その「NIGHT DANCER」が、実は次に紹介するABEMA限定先行配信版ではEDとして使われている。

TV版は作品のために書かれた「Fiction」。

ABEMA版は既存の「NIGHT DANCER」。

同じimaseでも、視聴バージョンによって役割の違う楽曲が選ばれているんだ。


ABEMA限定先行配信版のOP・EDは?全12話でTV版と別曲

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の主題歌情報で、いちばん混同しやすいのがABEMA限定先行配信版だ。

結論から言えば、ABEMA版ではTV放送版と異なるOP・EDが使われている。

ABEMA限定先行配信版は、2026年6月3日20時30分から配信開始。

TV放送より約1か月早く作品を楽しめる企画で、TV放送版第1〜6話の内容を、約10分のショート版として全12話に再編集したバージョンになっている。

つまり「TV第1話をそのまま10分に短縮した」というような単純なダイジェストではなく、序盤の内容をショート尺向けに再構成していると考えるのが分かりやすい。

ABEMA限定先行配信版で使われる主題歌は次の2曲。

  • OP:ずっと真夜中でいいのに。「クズリ念」
  • ED:imase「NIGHT DANCER」

TV放送版は、

  • OP:ずっと真夜中でいいのに。「イチジク煙」
  • ED:imase「Fiction」

だから、担当アーティストは同じで、使う曲だけが違う

検索結果で「ヤニすう OP クズリ念」と「ヤニすう OP イチジク煙」の両方が出てきても、どちらかが誤情報というわけじゃない。

「クズリ念」はABEMA限定先行配信版。

「イチジク煙」はTV放送版。

ここを分けて覚えればOKだ。

※画像はAIによるイメージ

ABEMA版OP「クズリ念」は既存曲

ABEMA限定先行配信版OPは、ずっと真夜中でいいのに。の「クズリ念」

こちらはTV版OP「イチジク煙」と違い、以前から発表されていた既存曲だ。

そして「クズリ念」にも原作者・地主との接点がある。

ABEMA版に関するACAねのコメントでは、地主が以前から「クズリ念」を好んでいたことが語られている。

原作者が個人的に好きだった既存曲が、自分の作品のアニメ化で実際にOPとして使われる。

この流れはなかなか面白い。

普通のタイアップなら「アニメのために新曲を用意する」という方向へ意識が向きやすい。

でも『ヤニすう』では、アニメ化以前から作品の外側に存在していた音楽とのつながりまで、先行配信版へ持ち込んでいる

この点は、単に人気アーティストの曲を当てただけとは少し違う。

原作者とアーティストの以前からの関係が、音楽選びにもにじんでいるからだ。

ABEMA版ED「NIGHT DANCER」はimaseの既存曲

ABEMA限定先行配信版EDは、imaseの「NIGHT DANCER」

2022年8月に配信された既存曲で、imaseを代表する楽曲の一つとして広く知られている。

TV版では『ヤニすう』のために書かれた「Fiction」を使いながら、先行配信版ではすでに多くの人に知られている「NIGHT DANCER」を選ぶ。

ここも使い分けがはっきりしている。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の物語は、仕事や接客という昼間の役割から少し離れた夜の時間に大きな魅力がある。

佐々木は会社員としての一日を終える。

山田はスーパー店員として働いている。

でも店の裏へ移動すると、「客」と「店員」という関係が少しだけ薄くなる。

そこで田山として佐々木と話す。

「NIGHT DANCER」は『ヤニすう』のための書き下ろしではない。

だから曲の意味を作品だけに結び付けすぎるのは避けたいけど、夜に少しだけ日常の役割から抜け出す本作の空気とは、結果的によくなじんでいると僕は感じる。

なぜABEMA版だけ主題歌が違う?

ABEMA限定先行配信版で別のOP・EDが使われること自体は公式に発表されている。

ただし、「なぜこの2曲を選んだのか」という制作意図のすべてが詳細に説明されているわけではない。

なので、ここからは僕の考察として読んでほしい。

ABEMA版は約10分のショート尺で全12話。

一方、TV放送版は通常のテレビアニメとして視聴する。

この二つは同じ物語を扱っていても、視聴するときのテンポが違う。

そこでABEMA先行版には、すでに存在する「クズリ念」と「NIGHT DANCER」を置く。

そしてTV版が始まったら、「イチジク煙」と書き下ろしの「Fiction」で、そのアニメならではの音楽体験へ切り替える。

僕にはこの構成が、

ABEMA版=作品へ先に触れてもらう入口

TV版=アニメとして世界観を定着させる本編

という二段構えに見える。

特に面白いのは、アーティストそのものは変えていないこと。

ずっと真夜中でいいのに。とimaseという軸を保ったまま、楽曲だけを変える。

そのため先行版とTV版がまったく別物に聞こえるわけではなく、「同じ音楽チームによる別アレンジの入口」のような一体感が残る。

配信とテレビで映像の尺を変えるだけではなく、主題歌まで含めて体験を分けたところは、このアニメの音楽展開でいちばん特徴的な点だと思う。


劇中BGMは河野伸・青木沙也果|主題歌4曲との役割の違い

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の劇中音楽を担当するのは、河野伸と青木沙也果

OPとEDだけでなく、本編の劇伴もこの作品ではかなり重要だ。

ただし、派手に感情を盛り上げるという意味ではない。

むしろ『ヤニすう』の場合、音楽がどこで前へ出ず、会話や沈黙に場所を譲るかの方が大切だと僕は考えている。

本作の見どころは、大事件やバトルじゃない。

スーパーの裏。

二人の立ち位置。

視線。

軽口。

返事までの一拍。

そういう小さな変化にある。

そこで劇伴が「今は恋愛的に重要な場面ですよ」と強く答えを出してしまえば、視聴者が自分で表情を読む余地が減ってしまう。

だから本編音楽には、場面を押す力だけでなく引く判断も求められる。

※画像はAIによるイメージ

ここで主題歌4曲と劇伴の役割を並べると、アニメ全体の音楽設計が分かりやすくなる。

OPは、これから物語を見るための入口。

劇伴は、本編の会話や空気を支える。

EDは、その回で見た二人の距離を持ち帰る時間。

そしてABEMA版では、ショート形式に合わせて既存曲を使った別の入口と出口を用意している。

つまり『ヤニすう』の音楽は、曲をたくさん鳴らして派手に印象付けるというより、どのタイミングでどんな距離から視聴者を二人へ近づけるかを調整しているように見えるんだ。

OPとEDでは「曖昧さ」の使い方が違う

以前の記事では「煙=曖昧な関係」という考察を何度も繰り返してしまった。

でも僕が今回いちばん面白いと思うのは、同じ曖昧さでもOPとEDで役割が違うことだ。

「イチジク煙」が流れるOPは、本編を見る前。

視聴者はこれから佐々木と田山の会話へ入っていく。

ここでは関係に名前が付いていないことが、期待として働く。

「今日は何が起きるんだろう」

「少し距離が縮まるのかな」

そう思わせた状態で本編へ渡すのがOPだ。

一方、「Fiction」が流れるEDは、本編を見たあと。

視聴者はすでに、その回で起きたちょっとした変化を知っている。

ここでは曖昧さが、振り返りとして働く。

「田山のあの返事ってどういう意味だったんだろう」

「佐々木はまだ気づいていないけど、山田側はどう感じていたんだろう」

同じ一つの関係でも、OPでは未来を想像し、EDでは過ぎた数分間を考え直す。

この違いがあるから、「曖昧な二人に合う曲」という一言だけでは終わらない。

脚本と演出の観点から見ると、OPとEDが時間の向きを逆に使っているのが面白いんだ。

OPはこれから。

EDはさっきまで。

その間に挟まる本編で、二人の距離がほんの数センチだけ動く。

僕はこの構成が、『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』という作品にかなり合っていると思う。

原作との接点を持つ二組が担当している意味

主題歌4曲を振り返ると、もう一つ大きな共通点がある。

ずっと真夜中でいいのに。側では、原作者・地主とACAねに以前から交流があった。

imaseは以前から原作漫画を読んでいた。

つまりOPとEDの両方で、作品についてある程度の理解や接点を持つアーティストが参加している。

ここは僕がアニメ主題歌を見るときにかなり重視している。

『ヤニすう』の魅力は、あらすじだけだと説明しにくいからだ。

「会社員とスーパー店員が店の裏で煙草を吸いながら話します」

設定だけなら、ほぼこれで終わる。

でも実際に読んだり見たりすると、なぜかその数分の会話をずっと追いたくなる。

重要なのは事件ではなく、会話の前後にある空気だ。

相手をちょっと気にしていること。

でも本人はまだ決定的な言葉にしないこと。

何も起きていないように見える日に、前回より少しだけ距離が近いこと。

この温度を理解せず、表面的に「煙草」「スーパー」「恋愛」といったキーワードだけ拾っても、作品らしい音楽にはなりにくい。

その点、地主と以前から接点のあるACAね、原作読者だったimaseという組み合わせには説得力がある。

僕は今回の主題歌企画の強みを、単に「人気の二組を起用したこと」ではなく、作品の“何も起きていないようで少しずつ動いている”感覚を理解できる距離にいた二組を選んだことだと考えている。


まとめ|『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』主題歌はTV版とABEMA版で4曲

アニメ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』のTV放送版主題歌は、OPがずっと真夜中でいいのに。「イチジク煙」、EDがimase「Fiction」

OPアーティストとEDアーティストは2026年3月28日に発表され、「イチジク煙」の曲名は2026年6月11日のメインPV第2弾で明示された。

楽曲配信は「イチジク煙」が2026年7月6日、「Fiction」が7月9日。

TVアニメ本編は2026年7月9日23時56分からTBS系28局で全国同時放送が始まっている。

一方、2026年6月3日20時30分開始のABEMA限定先行配信版では、OPに「クズリ念」、EDに「NIGHT DANCER」を使用。

こちらはTV放送版第1〜6話の内容を約10分のショート形式へ再編集した全12話で、主題歌もTV版とは別構成になっている。

つまり4曲を最短で整理すると、

  • TV版OP:ずっと真夜中でいいのに。「イチジク煙」
  • TV版ED:imase「Fiction」
  • ABEMA版OP:ずっと真夜中でいいのに。「クズリ念」
  • ABEMA版ED:imase「NIGHT DANCER」

という組み合わせだ。

さらに劇中音楽は河野伸と青木沙也果が担当している。

音楽面で僕が特に注目したいのは、OPとEDが同じ「曖昧な関係」を別の方向から支えていること。

OPは、これから二人の時間へ入っていく入口。

EDは、その回で交わされた言葉や沈黙をもう一度考える出口。

そしてABEMA版では、同じ二組のアーティストによる既存曲を使い、ショート版ならではの別の入口と出口を作っている。

主題歌が4曲あるからややこしい、と感じる人もいると思う。

でも仕組みが分かればむしろシンプルだ。

TV版とABEMA先行版では使用曲が違う。ただし担当アーティストは共通。

まずはそこを押さえておけば、検索結果で複数のOP・ED名を見かけても迷わない。

そしてアニメを見るときは、曲名だけでなく「OPが始まる前」と「EDへ入る直前」の二人の距離にも注目してみてほしい。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』という作品が、何気ない数分間をどれだけ丁寧に物語へ変えているかが、音楽からも見えてくるはずだ。


よくある質問

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』アニメのOPは何?

TV放送版のOPは、ずっと真夜中でいいのに。「イチジク煙」

OP担当アーティストは2026年3月28日に発表され、曲名「イチジク煙」は2026年6月11日に公開されたメインPV第2弾で明示された。楽曲配信は7月6日から。

ABEMA限定先行配信版では「クズリ念」がOPとして使われている。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』アニメのEDは何?

TV放送版のEDは、imase「Fiction」

原作を読んでいたimaseが作品を踏まえて制作した書き下ろし曲で、2026年7月9日に配信開始。

ABEMA限定先行配信版では、imaseの既存曲「NIGHT DANCER」がEDとして使われている。

TV版とABEMA限定先行配信版で主題歌が違うのはなぜ?

使用曲が違うこと自体は公式に案内されているが、選曲理由のすべてが詳細に説明されているわけではない。

確認できる事実として、TV版はOP「イチジク煙」・ED「Fiction」、ABEMA限定先行配信版はOP「クズリ念」・ED「NIGHT DANCER」。ABEMA版は2026年6月3日20時30分から配信された全12話のショート再編集版だ。

執筆:神崎 悠真(アニメ批評家|脚本研究家|ファンマーケター)

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