『逃げ上手の若君』第2期の続きは、漫画8巻第62話「鎧 1335」から読むのが最も自然。公式書誌とアニメ最終回を照合すると、ここが中先代の乱の本戦へ入る接続点だ。
2026年7月17日に始まったTVアニメ『逃げ上手の若君』第二期は、10月2日放送の第二十四回「時代」で完結した。全12話を通して、北条時行が「逃げる少年」から鎌倉奪還を目指す軍勢の大将へ変わっていく過程が描かれている。
「第2期の続きは漫画の何巻・何話から?」「原作は完結している?」「8巻から先はどんな物語になる?」という人に向けて、まず答えを短く整理しよう。
- 第2期終了後の続き:8巻第62話「鎧 1335」からが目安
- 第2期開始地点:4巻第32話「刺身 1334」周辺
- 第2期最終回の対応地点:7巻第61話「中先代 1335」周辺と判断できる
- 原作単行本:全27巻で完結
- 本編最終話:第238話
- 最終27巻:2026年10月2日発売
ここで大切なのは、「アニメ第二十四回=原作第61話」と公式が話数対応表を公表しているわけではないという点だ。
7巻が第53〜61話、8巻が第62〜70話を収録していることは集英社の公式書誌で確認できる。一方、「アニメのどのカットまでが原作何話か」という対応は、アニメ公式の第二十四回あらすじと原作の展開を照合して判断する必要がある。
そのためこの記事では、公式に確認できる巻・話数と、アニメ映像との照合による対応判断を分けて解説していく。
なお、ここからは8巻以降、最終27巻までの展開に触れる。物語の核心そのものは必要以上に明かさないが、巻ごとの大きな転換点についてはネタバレを含むので注意してほしい。
『逃げ上手の若君』第2期の続きは漫画何巻・何話から?
結論は8巻第62話「鎧 1335」から。
重複をなるべく避けてアニメ第2期の先へ進みたいなら、ここをスタート地点にするのが分かりやすい。
根拠を順番に見ていこう。
集英社の公式書誌によれば、原作7巻には以下の9話が収録されている。
- 第53話「腹黒 1335」
- 第54話「スキャナー 1335」
- 第55話「楠木 1335」
- 第56話「暗殺 1335」
- 第57話「尊氏 1335」
- 第58話「帰還 1335」
- 第59話「選択 1335」
- 第60話「悪党 1335」
- 第61話「中先代 1335」
そして次の8巻は、第62話「鎧 1335」から第70話「名乗り 1335」までを収録している。
つまり単行本そのものが、「中先代」という題名の第61話で7巻を閉じ、第62話から中先代の乱の戦場へ本格的に入っていく構成になっているんだ。
ではアニメ第二十四回「時代」は、どこで終わったのか。
アニメ公式の第二十四回あらすじでは、開戦準備を終えた諏訪陣営が大戦へ踏み出し、時行が北条遺臣で構成された「鎌倉党」の大将として指揮を執る展開が示されている。
そして最後に位置付けられているのが、鎌倉奪還を目指す「中先代の乱」の開幕だ。
ここが重要。
第二十四回は、中先代の乱そのものを何話も使って戦った末に終了したわけじゃない。
「さあ、ここから中先代の乱が始まる」という地点で第2期を閉じている。
一方、8巻第62話ではタイトルが「鎧 1335」となり、挙兵した時行が戦場へ出るための装備と向き合い、そこから実戦へ踏み込んでいく。
だから、アニメ最終回の「開戦」と8巻冒頭の「実戦開始」が非常にきれいにつながる。
これらを照合すると、第二十四回は原作7巻第60〜61話周辺、とりわけ第61話「中先代 1335」の領域までを映像化したと見るのが自然で、次に読む地点として8巻第62話を選べるわけだ。
「絶対に1ページも重複したくない」という意味での完全一致については、アニメ側が公式対応表を出していない以上、断定しすぎないほうが正確だと思う。
ただ、物語の接続点としては8巻冒頭がかなり明快だ。
第2期はどこから始まった?
こちらも公式情報を組み合わせると分かりやすい。
第二期最初の第十三回は「もう一度、食べタイ!」。
アニメ公式あらすじでは、1334年の諏訪で暮らす時行が、鎌倉で食べていた由比ヶ浜の鯛を思い出し、故郷へ思いを馳せるところから物語が始まる。
原作4巻には第26〜34話が収録されており、その中の第32話が「刺身 1334」。
第1期の撤退戦を終えた後の物語として、ここから第二期につながっていく。
したがって第2期全体の対応範囲は、4巻第32話周辺から7巻第61話周辺までと整理するのが分かりやすい。
僕が面白いと思うのは、この約30話分の終点だ。
第2期は「巨大な戦争に勝利した」という結果で締めていない。
主人公が巨大な戦争を率いる資格を得た瞬間で締めている。
脚本構造から見ると、第2期のゴールは中先代の乱の「決着」ではなく、北条時行の「役割の変化」なんだと思う。
第十三回の時行は、故郷の味を恋しがる少年だった。
第二十四回の時行は、その故郷を取り戻す軍勢を率いる大将になっている。
この始点と終点を並べると、第2期そのものが一本の成長物語としてかなり美しく設計されているんだよね。
8巻から何が始まる?中先代の乱と鎌倉奪還が本格化
アニメ第2期の続きとなる8巻からは、いよいよ中先代の乱そのものが本格化する。
第2期までが「挙兵するための物語」だったとすれば、8巻以降は「北条時行が歴史の表舞台へ名前を取り戻しに行く物語」だ。
8巻|第62〜70話、中先代の乱の戦場へ
8巻は第62話「鎧 1335」からスタート。
鎌倉奪還を目指して兵を挙げた諏訪神党と、因縁の小笠原軍が激突していく。
瘴奸との戦い、小笠原貞宗と諏訪頼重の対峙、清原信濃守との因縁など、序盤から積み重ねてきた信濃編の関係が次々と動き出す。
そして第70話の題名は「名乗り 1335」。
この「名乗り」が象徴的なんだ。
時行は鎌倉幕府滅亡後、自分が北条時行であることを隠し、「長寿丸」として生き延びてきた。
つまり序盤の「逃げる」は、命だけではなく名前を隠す行為でもあった。
ところが中先代の乱では逆になる。
逃げて生き延びた少年が、今度は自分から「北条時行」という名前を歴史へ返していく。
僕は8巻を、単純な合戦開始の巻というより、時行が匿名の少年から歴史上の北条時行へ戻る巻として読むとかなり面白いと思っている。
9〜12巻|鎌倉へ向かう戦いが巨大化
8巻から始まった戦いは、信濃だけでは終わらない。
時行の存在が明らかになるにつれて戦場は広がり、北条方は鎌倉を目指して進んでいく。
ここで作品のスケールが明確に変わる。
初期の時行は、自分が敵の攻撃をかわして生き延びればよかった。
でも軍を率いる時行には、何百、何千という人間の動きを考える必要がある。
個人の「逃げ上手」が、軍略としての「逃げ上手」へ変わっていく。
これは主人公の必殺技を新しく追加するタイプの成長とは少し違う。
持っている能力は同じなのに、責任の範囲だけが巨大になっていくんだ。
そして物語は鎌倉へ。
1巻で奪われた故郷を取り戻すという、作品開始時からの大きな目標が現実味を帯びてくる。
普通の少年漫画なら、「故郷奪還」は最終回に置けるほど強いゴールだよね。
ところが『逃げ上手の若君』では、それでも終われない。
なぜなら歴史は、その先も続いているからだ。
13巻|諏訪頼重との関係が大きな転換点へ
中先代の乱の先で、時行にとって最大級の転換点になるのが諏訪頼重との関係だ。
頼重は時行を鎌倉から救い出した命の恩人であり、「逃げる」という才能に最初に価値を与えた人物でもある。
時行が逃げ上手だっただけでは、主人公にはなれなかった。
「それは才能だ」と意味付けしてくれる頼重がいたから、時行は自分の弱点だと思っていたものを武器にできた。
だからこの二人の関係が大きく動くことは、単なる登場人物一人の変化ではない。
物語を始動させた「師と弟子」の構造そのものが変わることを意味する。
僕は13巻周辺を、頼重に導かれる北条時行から、自分で進路を決める北条時行への転換点として読んでいる。
ここから先、作品の景色はさらに変わっていく。
14~20巻はどうなる?北畠顕家と南北朝の戦乱へ
中先代の乱を越えると、『逃げ上手の若君』は「鎌倉を取り戻す少年の物語」だけでは収まらなくなる。
舞台は南北朝の巨大な争乱へ広がっていく。
時行が関わる人物も、軍勢も、政治的な勢力も増えていく。
14〜16巻|北畠顕家と新たな戦場へ
時行は北畠顕家らと行動をともにし、新しい戦いへ入っていく。
ここで面白いのは、時行が常に「大将」であり続けるわけではないことだ。
中先代の乱では自らの名を掲げる中心人物だった。
しかし次の局面では、別の大きな軍勢や指導者の中で、自分が何をできるのかを考えなければならない。
そして戦いは再び鎌倉へつながっていく。
16巻では斯波家長を破り、二度目の鎌倉奪還へ到達する。
ここは物語構造としてかなり興味深い。
同じ「鎌倉を取り戻す」という出来事でも、一度目と二度目では読者が受け取る意味が違う。
最初は「帰ってきた」という達成感がある。
でも二度目には、僕ら読者ももう知っている。
場所を取り戻すことと、歴史に勝つことは同じではない。
同じイベントを反復しながら意味だけを変えていく。
これは『逃げ若』が長編だからこそできる演出だと思う。
17〜19巻|北畠顕家、高師直、そして吹雪
戦いはさらに巨大になり、高師直ら足利方との衝突が激化していく。
同時に、逃若党の人間関係にも大きな変化が起きる。
その中でも重要なのが吹雪だ。
吹雪は3巻から時行たちと関わり、武力だけでなく軍略でも逃若党を支えてきた。
だから後半で彼との関係が大きく変化したとき、読者が感じる重さは「強敵が登場した」という種類のものじゃない。
何十話も一緒に過ごした記憶そのものが、戦いの意味になる。
長編作品の伏線って、「実は第3話の背景に答えが描かれていました」だけじゃないんだよね。
昔の人間関係を覚えていること自体が伏線になる。
吹雪をめぐる展開は、その典型だと思う。
20巻|吉野から再び信濃へ
20巻は第170〜178話を収録。
高師直との決戦を経て南朝の本拠・吉野へ逃れた時行は、北畠顕家が遺したものを携え、後醍醐天皇と向き合う。
さらに北畠親房による東国進出、大船団、魅摩の力による嵐といった出来事を経て、第178話「信濃へ。」へ到達する。
この巻で特に『逃げ若』らしいと思うのが、敗北後の扱いだ。
一般的なバトル作品では、大敗は主人公をどん底へ落とすイベントとして機能することが多い。
『逃げ若』でも敗北はもちろん重い。
ただし、そこで物語を停止させない。
逃げた先に別の人物がいて、別の土地があり、次の歴史が始まる。
この作品では逃亡そのものが章と章をつなぐ扉になっている。
「逃げる」が戦闘能力だけではなく、物語を継続させる脚本装置にもなっているわけだ。
21~27巻はどう完結する?貞宗・吹雪・尊氏との因縁が集約
21巻以降は、それまで20巻以上かけて積み上げてきた人間関係が次々と回収されていく。
特に重要なのが、小笠原貞宗、かつての仲間、そして足利尊氏だ。
21巻|小笠原貞宗との因縁
21巻は第179〜187話を収録。
信濃へ戻った時行は、小笠原貞宗との最後の戦いへ向かう。
保科、四宮、祢津らも加わり、小笠原軍との戦いが展開される中、三千騎を率いる土岐頼遠の参戦も絡んでくる。
ここまで読んでいると、貞宗を単純な敵として見るのは難しい。
彼は序盤から時行を追い詰め続けた存在だけど、同時に時行は彼との対決を通して弓や戦い方、武士としての考え方を学んできた。
集英社の公式紹介でも、貞宗は時行にとって「敵であり師」という位置付けになっている。
主人公を育てるのは味方だけじゃない。
倒すべき相手が、自分の能力を磨いてくれることもある。
『逃げ若』の人間関係が面白いのは、この敵味方の線が感情面ではかなり複雑なところだ。
22〜23巻|かつての関係が決着へ向かう
物語が終盤へ進むにつれて、「北条家を再興する」「足利と戦う」という巨大な目的だけではなく、時行自身が何を望んで生きるのかという問題が前へ出てくる。
23巻は第197〜205話を収録。
かつての郎党との一騎打ちが終幕へ向かう一方、足利陣営では直義派や直冬らも絡み、戦局はさらに複雑になる。
第200話の題名が「昨日の敵は今日の友 1351」なのも、本作らしい。
南北朝時代は、現代の感覚で「この人はずっと味方」「この勢力は最後まで敵」と単純化しにくい。
政治状況によって立場が変わる。
だから漫画でも、人間関係が固定されたパーティー制にならない。
この不安定さが歴史ものとしての面白さになっている。
24〜25巻|尊氏との対決が最終局面へ
終盤では足利尊氏との関係が、作品全体の中心へ戻ってくる。
尊氏は時行から故郷と家族を奪うきっかけになった人物であり、第1巻から続く最大の存在だ。
しかし20巻以上を経た時行にとって、対尊氏の意味も「昔の仇を倒したい」だけでは説明できなくなっている。
尊氏を中心とする時代そのものと、どう向き合うのか。
北条時行として何を残すのか。
そこが問われるようになる。
25巻では南朝軍と尊氏軍による武蔵野合戦が始まり、時行たちは尊氏を揺さぶるために動く。
ここで再び前面に出てくるモチーフが「鬼ごっこ」だ。
第1巻では子供の遊びのようだった鬼ごっこが、最終章では時行と尊氏の人生を表現する言葉になる。
逃げる者。
追う者。
捕まえる者。
捕まらない者。
作品開始時から使っていた遊びのルールを、最後の戦争まで持っていく。
脚本構造として見ると、かなり強い回収だ。
26巻|武蔵野合戦から1353年へ
26巻は2026年8月4日発売。
第224〜232話を収録している。
時行と尊氏の鬼ごっこは騎射戦へ突入し、武蔵野合戦は終幕へ。そして物語の時間は1353年へ進んでいく。
第224話「貴方に無くて私にあるもの 1352」から、第232話「対峙 1353」まで。
この題名の並びだけを見ても、作品が最終的な対話と決着へ近づいているのが分かる。
そして26巻終了時点で残る本編は、第233〜238話。
いよいよ最終27巻だ。
27巻|2026年10月2日発売、全27巻で完結
最終27巻は2026年10月2日発売。
紙版・デジタル版ともに刊行され、紙版は192ページ、税込572円。価格や販売状況は変わる可能性があるため、購入時は各販売先の最新表示を確認してほしい。
集英社の公式紹介では、日本の未来を懸けて時行が尊氏と互いの命をめぐる問答に臨み、長く続いた因縁が決着へ向かうことが示されている。
26巻が第232話までなので、最終巻では第233話から本編最終第238話までが収録される。
さらに、本編完結後に「週刊少年ジャンプ」2026年32号へ掲載された特別読切『逃げ上手の若君 PRESENT DAY』も27巻に収録された。
つまり2026年10月現在、アニメ第2期を見終えた人は8巻へ進めば、そのまま最終27巻まで単行本で追える状態になっている。
全27巻。
本編全238話。
約5年にわたった連載の物語は、単行本でも最後まで読める。
考察|なぜ第2期は「中先代の乱の開幕」で終わったのか?
ここからは公式発表ではなく、作品構造を見た僕自身の解釈として読んでほしい。
僕はアニメ第2期が第61話周辺、つまり中先代の乱を始める地点で区切られたこと自体に意味があると考えている。
第2期冒頭の第十三回「もう一度、食べタイ!」を思い出してみよう。
時行は鎌倉の鯛を懐かしんでいる。
故郷はまだ「帰りたい場所」なんだ。
それが第二十四回では変わる。
鎌倉は「帰りたい場所」であると同時に、軍を率いて「取り戻しに行く場所」になる。
この差は大きい。
第2期で描かれた最大の成長は、時行が急に最強の武士になったことではない。
故郷を思う少年から、故郷を取り戻す責任を背負う大将になったことなんだと思う。
だから中先代の乱を最後まで映像化して終えるより、「これから戦争が始まる」という瞬間で切るほうが、第2期単体の主人公成長としては輪郭がはっきりする。
第二十四回の題名が「時代」なのも象徴的に感じる。
時行個人の冒険が、いよいよ歴史上の巨大事件と重なる。
アニメ第2期は、その境界線で終わったわけだ。
「逃げる」という能力は変わらず、意味だけが成長する
原作全27巻を通して僕が特に面白いと思うのは、時行の基本能力を捨てなかったことだ。
普通の成長物語なら、序盤の弱点を克服する。
怖がりだった少年が勇敢になる。
戦えなかった少年が最強になる。
逃げていた主人公が、最後には「もう逃げない」と宣言する。
でも『逃げ上手の若君』は、そこへ行かない。
時行は逃げることをやめるから成長するのではなく、逃げることの意味を広げながら成長する。
最初は身体能力だ。
攻撃を避ける。
敵から逃げる。
捕まらない。
次に、それが思想になる。
無意味に死なない。
味方を生き残らせる。
撤退して次の機会を待つ。
さらに大将になると軍略へ変わる。
戦う場所を選ぶ。
敵の力を受け流す。
軍勢を次の戦場まで生かす。
そして長い南北朝編では、人生そのものへ近づいていく。
敗北しても終わらない。
故郷を失っても終わらない。
大切な人物との別れがあっても、物語を続ける。
「逃げる」は敗北の方法ではなく、物語を終わらせない方法になる。
僕はここが『逃げ若』の主人公設計で一番好きなところだ。
初期設定を否定して成長させるのではない。
初期設定を最後まで守り、その意味を拡張することで成長させる。
だから1巻と27巻が一本の線でつながる。
時行と尊氏は「二種類の英雄」として読める
もう一つ、作品構造から僕が注目したいのが足利尊氏との対比だ。
尊氏は圧倒的なカリスマを持ち、人や時代が自分の周囲へ集まってくるような存在として描かれる。
一方の時行は違う。
時行自身が動く。
逃げる。
別の土地へ行く。
そこで新しい人物と出会う。
諏訪頼重、雫、弧次郎、亜也子、玄蕃、吹雪、小笠原貞宗、北畠顕家……。
味方だけではない。
敵との出会いさえ時行を変えていく。
僕にはこの二人が、「世界を自分へ引き寄せる英雄」と「自分が世界を駆け回る英雄」として対照的に見える。
もちろん、これは作者本人が公表した意図だと断定する話ではない。
全27巻の人物配置と物語構造から、僕はそう読んだということだ。
歴史的な結果だけなら、足利尊氏のほうが圧倒的に大きな存在として残る。
だからこそ漫画は、「歴史上の勝者になることだけが人生の勝利なのか?」という別の問いを置ける。
天下を取ったか。
政権を作ったか。
教科書に大きく載ったか。
それだけでは、人間の一生は測れない。
誰と出会ったのか。
何を受け継いだのか。
誰を生かしたのか。
何度敗れても、どこまで自分として走れたのか。
そう考えると、歴史の勝者ではない北条時行を主人公にした意味が見えてくる。
そしてその問いに最も似合う能力こそ、「逃げる」だったんじゃないか。
少なくとも作品構造から、僕はそう解釈している。
まとめ|第2期の続きは8巻第62話、原作は全27巻で完結
『逃げ上手の若君』第二期は、2026年7月17日に放送を開始し、10月2日の第二十四回「時代」で終了した。
最終回では北条時行が鎌倉党の大将として立ち、諏訪陣営が挙兵。鎌倉奪還を目指す中先代の乱が開幕する地点まで描かれている。
集英社の公式書誌では、7巻が第53〜61話を収録し、最終話が第61話「中先代 1335」。
続く8巻は第62〜70話を収録し、第62話「鎧 1335」から始まる。
アニメ公式から原作話数との完全な対応表が公表されているわけではないため、「第二十四回=第61話」と機械的に断定するのではなく、公式あらすじと原作の展開を照合すると、第2期終了後は8巻第62話から読むのが自然というのが正確な整理だ。
第2期の最初から漫画で読み直したいなら、4巻第32話「刺身 1334」周辺が目安になる。
そして原作は本編第238話で完結。
最終27巻も2026年10月2日に発売されているため、今なら8巻からそのまま結末まで追える。
続きだけなら8巻。
第2期を漫画で振り返るなら4巻後半。
そして北条時行の「逃げる」という能力が、弱点から才能へ、才能から思想へ、思想から軍略へ、最後には生き方そのものへ変わっていく過程まで味わいたいなら、1巻から読み直す価値がある。
アニメ第二十四回は「中先代の乱が始まったから途中で終わった」と見ることもできる。
でも僕はむしろ逆だと思う。
北条時行が、自分の人生を率いる大将になったからこそ、あそこで第2期という物語を終えられた。
そして8巻第62話からは、その大将になった時行が、本当に歴史の中へ飛び込んでいく。
アニメの「続き」を探して8巻を開いたはずなのに、読み進めるほど「北条時行という人間の続き」が気になっていく。
そこから全27巻へつながっていくのが、『逃げ上手の若君』の面白さだと思う。
よくある質問
『逃げ上手の若君』第2期の続きは漫画何巻から?
8巻から読むのがおすすめ。集英社の公式書誌では7巻が第61話「中先代 1335」で終了し、8巻は第62話「鎧 1335」から始まる。アニメ第二十四回も中先代の乱が開幕する地点で終了するため、続きとして8巻冒頭が自然につながる。
アニメ第2期は原作漫画の何巻から何巻まで?
4巻第32話周辺から7巻第61話周辺までが目安。第十三回「もう一度、食べタイ!」は1334年の諏訪で時行が鎌倉の食事を懐かしむ物語で、4巻第32話「刺身 1334」周辺と対応する。最終第二十四回は中先代の乱開幕まで進む。ただし、アニメ公式が原作各話との完全対応表を公開しているわけではないため、話数対応は公式あらすじと原作内容を照合した判断となる。
『逃げ上手の若君』原作は全何巻?完結している?
全27巻で完結している。本編は第238話までで、最終27巻は2026年10月2日に紙版・デジタル版が発売された。最終巻には本編完結後に発表された特別読切『逃げ上手の若君 PRESENT DAY』も収録されている。
執筆:神崎悠真(アニメ批評家|脚本研究家|ファンマーケター)



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