- 『もめんたりー・リリィ』全話の考察とストーリー解説
- キャラの死や記憶に込められた意味と伏線の読み解き
- 最終回の感動演出と視聴者の評価・感想まとめ
オリジナルアニメ『もめんたりー・リリィ』が、2024年春の覇権候補として多くのアニメファンの心を掴みました。
本記事では、1話から最終話までの流れを踏まえつつ、作品に散りばめられたメッセージや伏線を独自の視点で徹底考察。
特に、ゆりの死、れんげの成長、料理を通じて描かれる少女たちの絆、そして最終話で明かされた「記憶」と「継承」のテーマに迫ります。
- 『もめんたりー・リリィ』1話考察|少女たちの出会いと「アンドヴァリ」の謎を解く!
- 2話でゆりが死亡!?リーダーの死が早すぎる理由を徹底考察
- 3話「ちらし寿司回」が泣ける理由|ゆりの土葬と仲間たちの決意とは?
- 4話のラーメン回に隠されたメッセージとは?「ぬくもり」と「戦い」の対比に注目
- 5話の卵雑炊に込められた“想い”とは?料理で描かれる少女の成長
- 6話は“れんげの自立”回?夏の焼きそばに見るキャラ成長のヒント
- 7話〜8話考察:生存者たちの登場と「しとろん」「すずらん」の関係に迫る!
- 9話の“偶然おいしくなったカレー”が意味するものとは?ギャグとシリアスの境界線
- 10話「もうひとりのねりね」登場で物語が急展開!正体と過去を徹底分析
- 11話〜13話まとめ考察:れんげとねりねの再会、そしてゆりの記憶の真相とは?
- 最終話・14話解説|れんげの“飛翔”と死、残された少女たちの未来を読み解く
- 『もめんたりー・リリィ』最終回に泣いた人続出!?視聴者の感想と評価まとめ
『もめんたりー・リリィ』1話考察|少女たちの出会いと「アンドヴァリ」の謎を解く!
『もめんたりー・リリィ』第1話は、荒廃した世界で生きる少女たちの出会いと、不可解な武器「アンドヴァリ」の存在が描かれたエピソードです。
本記事では、初見では見逃しがちな伏線や、今後の展開の鍵となる要素を独自の視点で読み解きます。
初回だからこそ重要な“出会いの演出”と武器に秘められた意味に迫ります。
物語の冒頭で印象的だったのは、れんげが廃墟で出会った少女・ゆりとの邂逅シーンです。
光のない世界に差し込む“食卓の明かり”が、彼女たちの心をつなげていく象徴として機能しています。
このアニメが一見バトルものに見えながら、実は「料理」や「共同体」を中心に据えたドラマであることが、このシーンだけで強く伝わってきました。
また1話で登場した謎の武器「アンドヴァリ」は、ただの戦闘道具ではありません。
その名は北欧神話にも登場する魔剣に由来し、“使う者の欲望を反映する”という意味を持つとされています。
この設定が、本作の世界観とどのように結びついているかはまだ明かされていませんが、少女たちの心の揺らぎや変化を映し出す存在として今後も重要な役割を果たすでしょう。
1話では戦闘シーンよりも、少女たちが共同で“割烹”を行う描写に多くの尺が割かれており、これは意図的な演出と感じられます。
料理=絆の形成というメッセージが、他のサバイバルアニメとの差別化ポイントです。
「生きること」と「食べること」が密接に描かれるこの世界で、少女たちはただ戦うだけでなく、共に“生き延びる理由”を探していくのです。
第1話の締めくくりで、ゆりが「アンドヴァリ」を手に取るシーンは象徴的でした。
彼女が選ばれた存在なのか、それとも選ばされただけなのか。
この選択の重みが、次話以降の衝撃展開につながっていくとは、まだ誰も知らなかったはずです。
2話でゆりが死亡!?リーダーの死が早すぎる理由を徹底考察
第2話のラストで、まさかの展開が訪れます。
物語の中心にいるはずだったゆりが、爆発に巻き込まれて命を落とすという衝撃的な結末。
この早すぎる死に、視聴者の多くが「なぜこんなに早く?」と驚き、SNS上でも大きな話題となりました。
物語序盤でゆりを退場させるという決断は、単なるショッキングな演出ではありません。
“喪失”を初期に提示することで、作品のテーマである「継承」「記憶」「料理と死の対比」が明確に浮かび上がる構造になっています。
ゆりの死は物語全体の“始まりの合図”だったとも言えるのです。
さらに、ゆりというキャラクターの立ち位置も注目すべきポイントです。
リーダー格であり、精神的な支柱として描かれながら、どこか“理想にすがる危うさ”を持っていた彼女は、現実世界で生き延びるにはあまりにまっすぐ過ぎたのかもしれません。
このことが、他のキャラクター、特に後にリーダーシップをとることになる“れんげ”の成長を促す要因となっていきます。
もうひとつ忘れてはいけないのが、「アンドヴァリ」からゆりが解放されたことで、その武器が“次の継承者”を探し始めるという仕掛けです。
これは本作における“武器=意志の媒介”という設定と重なり、単なる武力ではない、感情や決意を受け継ぐ物語構造を感じさせます。
ゆりの死によって「アンドヴァリ」の力は次世代へとバトンを渡し、世界は再び動き出すのです。
多くの視聴者が第2話で離脱しそうになるほどのインパクトがあったゆりの死ですが、そこには計算された脚本構成が隠されています。
主要キャラを早期に失うことで「この作品は誰も安全ではない」と視聴者に知らしめる狙いがあったのでしょう。
それによって生まれた緊張感が、以降の各エピソードの“何気ない日常”にも影を落とし、物語全体の厚みを増す要因となっているのです。
3話「ちらし寿司回」が泣ける理由|ゆりの土葬と仲間たちの決意とは?
第3話は、死んだゆりを弔うための“ちらし寿司作り”が中心に描かれたエピソードです。
戦いの直後に“料理”と“土葬”が並置される演出が、強烈な感情を呼び起こします。
食べること=生きることとすれば、死者への想いを料理で語るこの回は、作品の核に迫る重要回でした。
ちらし寿司という選択がまた絶妙です。
色とりどりの具材が重なり合い、一つの料理となるちらし寿司は、「多様な感情」「交差する想い」「つながる記憶」を象徴していました。
その中心にいたのが、死してなお彼女たちの心に残るゆりだったのです。
作中では、具材を切るれんげの手が震えていたり、味付けに悩む描写が細かく描かれています。
これは料理の技術というよりも、「誰かのために料理を作る」ことへの重圧と責任を示しています。
そしてそれこそが、れんげがゆりから引き継いだ「リーダーとしての初めての仕事」でもありました。
また、この回の最大の見どころは、“土葬”という選択です。
この世界では火葬が困難なため、土葬という方法が選ばれたわけですが、その描写は非常に丁寧で、「誰かを見送る」という儀式の重みが丁寧に描かれています。
視聴者が自然と涙するのは、そこに“命の温度”が残っているからに他なりません。
そして最後に少女たちは、ちらし寿司を前に言葉少なに箸を動かし、静かに涙を流します。
この静寂のシーンは、過度な演出がないからこそ心に沁みわたり、「死を乗り越える」という物語上の大きな節目を強く印象づけました。
3話は単なる感動回ではなく、れんげたちが「死を知り、それでも前に進む覚悟を得た瞬間」を描いた、まさに魂の一話です。
4話のラーメン回に隠されたメッセージとは?「ぬくもり」と「戦い」の対比に注目
第4話では、れんげたちがラーメンを作るエピソードが展開されます。
一見すると日常パートのように見えるこの回には、“ぬくもり”と“戦い”という本作の二面性が巧妙に織り込まれていました。
特に料理を通じて描かれる“人とのつながり”と“世界の冷たさ”のコントラストが、印象的に描かれています。
ラーメンはこの世界において、かつての「文明の象徴」でした。
即席ではない、手間ひまかけた一杯を少女たちが作ることで、“失われた日常”への追憶と、“今の自分たちの居場所”を確かめる作業が同時に行われていたのです。
れんげがスープの出汁をとる場面は、彼女の「誰かのために時間を使う覚悟」を象徴していました。
しかしその一方で、後半には敵対存在・ワイルドハントの襲撃が発生します。
戦闘シーンの直前まで、ラーメンの湯気がふわりと立ち昇る描写が繰り返されており、この“ぬくもり”がすぐに奪われるという予感が漂っていました。
ここで、「戦いは日常の裏側に常にある」という本作のテーマが、見事に演出として成立しています。
特に印象的なのが、戦闘後に再びラーメンを食べ直すという流れです。
冷めたラーメンを温め直すという描写が、仲間たちの再結束を示すものとして機能していました。
どんなに荒れた状況でも、彼女たちには“戻ってくる食卓”があるというメッセージが、非常にあたたかく胸に響きました。
4話のラーメン回は、単なるグルメ回ではありません。
ぬくもりと暴力、日常と非日常が交錯する世界で、少女たちはなぜ“料理”を選ぶのかという本作の核心に迫る重要な一話でした。
ラーメンの香りに包まれた一時の平穏があるからこそ、少女たちはまた前へと歩き出せるのです。
5話の卵雑炊に込められた“想い”とは?料理で描かれる少女の成長
第5話では、一見地味ながらも重要な料理「卵雑炊」が物語の中心に据えられました。
ここで描かれるのは、“癒し”と“再出発”を象徴する料理としての卵雑炊と、それを通じた少女たちの内面的な変化です。
とりわけ、れんげの表情や言葉からは、彼女の心の成長がにじみ出ていました。
雑炊という料理は、体調が悪い時や疲れている時に作られる“優しさの料理”です。
第5話のれんげは、仲間の体調不良をきっかけに、初めて自ら進んで料理を提案します。
それは単なる食事ではなく、「誰かのために動く」という選択であり、彼女自身が“ゆり”から受け継いだ精神の発露でもありました。
注目したいのは、れんげが卵を割るときの手の動き。
以前の彼女であれば、雑に扱っていたかもしれない卵を、今では大切に包み込むように調理しています。
このシーンひとつからも、れんげの中で「他者を思いやる気持ち」が育っていることが分かります。
さらに、卵雑炊を囲んで微笑み合う仲間たちのシーンには、“食卓が心を繋ぐ”という本作の根幹テーマが色濃く表現されています。
それは同時に、「過去の痛み」から立ち直るための時間でもありました。
食べるという行為を通して、少女たちは“人間らしさ”を取り戻していくのです。
5話のクライマックスでれんげが語った「次は自分が守る番」というセリフは、まさに彼女の成長を象徴する一言。
かつて“守られる側”だった彼女が、自らの意思で仲間を支えようとする姿に、視聴者もまた胸を打たれたことでしょう。
卵雑炊というシンプルな料理に、少女の変化と優しさ、そして未来への希望が丁寧に描かれた一話でした。
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6話は“れんげの自立”回?夏の焼きそばに見るキャラ成長のヒント
第6話では、夏の陽射しの中、少女たちが屋外で焼きそばを作るシーンが描かれます。
一見ほのぼのとした日常回に見えますが、実は“れんげの精神的自立”が明確に描かれた重要な一話でした。
特に焼きそばという料理に込められた“意図”と“変化”に注目することで、本作のキャラクター描写の巧みさが浮き彫りになります。
れんげはこれまで、仲間に支えられることで前へ進んできたキャラでした。
しかし今回の焼きそば作りでは、買い出し・火起こし・味付けに至るまで、自分の判断で動き、他のメンバーをリードする姿勢が印象的でした。
この変化は、「誰かの代わり」ではなく、“自分の意志”で動き始めたれんげの成長を明確に示しています。
焼きそばという料理の選択にも意味があります。
具材のバリエーション、味のアレンジ性、火加減の調整など、“臨機応変な対応力”が求められる料理であり、リーダーシップを試される局面でもあります。
この試練を見事にこなしたれんげの姿に、視聴者は強く心を動かされたことでしょう。
また、今回は仲間たちがれんげを少し遠くから見守る描写がありました。
これは彼女の“成長を信じる姿勢”の現れであり、誰かに頼られる存在になったことの証明とも言えるでしょう。
食事後の「もう一人でも大丈夫かも」という独白は、これまでの依存からの脱却、そして「ゆり」や「仲間の思い」を受け取った自覚を象徴しています。
6話は全体を通して大きな事件も戦闘も起きませんが、キャラクターの成長という“物語の芯”を見せてくれた密度の高い一話です。
焼きそばの香ばしさの中に、少女たちの夏の決意と歩みが感じられる、静かで力強い回でした。
7話〜8話考察:生存者たちの登場と「しとろん」「すずらん」の関係に迫る!
第7話と8話では、新たな生存者グループが登場し、物語はさらに広がりを見せます。
特に注目すべきは、新キャラ「しとろん」と「すずらん」の関係性。
彼女たちの言動からは、表層的な友情ではない、過去と傷を共有した“深い結びつき”が感じられました。
まず7話で描かれたのは、「生き残るための共同体」の実態です。
れんげたちが出会った別の拠点では、生存者同士の間に明確な“温度差”が存在していました。
食糧や役割の分担に関しても合理性を最優先する彼女たちの姿は、これまでの“料理でつながる絆”とは対照的なものだったのです。
その中で登場したのが「しとろん」と「すずらん」。
しとろんは無口で攻撃的な性格、一方ですずらんは物腰柔らかく、他者と調和しようとする性格。
しかしこの二人には、“過去に同じ人物を失った”という共通の背景があり、だからこそ深く結びついているように描かれています。
8話では、れんげとの対話を通じて、すずらんが少しずつ“割烹”の意義に心を開いていく描写があります。
しとろんもまた、最初は敵意をむき出しにしていましたが、一口のカボチャ煮で感情を崩す描写が印象的でした。
この瞬間、料理が“言葉を超えるコミュニケーション”であるという本作のメッセージが再び力強く響きます。
8話のクライマックスでは、すずらんが語る「私はお姉ちゃんのこと絶対忘れません」のセリフが心に残ります。
これは、同じ声優を使った「祥子(忘却)」との対比でもあり、本作の隠されたテーマ「記憶と忘却のせめぎ合い」が浮かび上がる場面でもありました。
「記憶を語る者」と「忘れようとする者」—— その間で少女たちはどんな選択をするのか。
7話〜8話は、戦闘や衝突を通じて新たな価値観がぶつかり合う“転換点”であり、
「他者とどう共存するか」「失ったものをどう抱えて生きるか」を深く問う物語でした。
しとろんとすずらんの存在が、今後の展開にどう関わってくるのかにも注目です。
9話の“偶然おいしくなったカレー”が意味するものとは?ギャグとシリアスの境界線
第9話では、緊迫した展開が続いた前話とは打って変わって、一見ギャグ寄りの“カレー作り”が描かれます。
しかしこの回には、笑いの裏にある“深い問い”が隠されており、作品全体の世界観をより立体的に見せる重要な位置づけとなっています。
その鍵となるのが、「偶然おいしくなったカレー」という出来事です。
このエピソードは、れんげたちが残り物の具材でカレーを作ることから始まります。
それは計画的というより、半ば投げやりな調理に近く、「こんなんで大丈夫かな…」という不安が漂っていました。
しかし、ふたを開けてみれば――“なぜかめちゃくちゃ美味い”という結果に。
この「偶然のおいしさ」は、視聴者に笑いを届けるだけでなく、“制御不能な世界の中で、それでも得られる幸福”というテーマを象徴しているようにも感じられます。
つまり、すべてがうまくいかなくても、時に人生は優しい――そんな希望を暗い世界の中に差し込んだ回だったのです。
このエピソードが優れているのは、笑いに逃げていない点です。
ギャグとして展開されながら、後半では再びワイルドハントの気配が近づき、一気に“現実”へと引き戻される構成が緻密に設計されています。
「日常は儚く、けれど大切にすべきもの」というメッセージが強く伝わる構成でした。
また、この回では“すずらん”の意外な一面が描かれたことも見逃せません。
実は彼女、料理が壊滅的に下手という設定が明かされます。
しかし、「でも食べる人が笑ってくれたから、失敗でもいいかも」というセリフは、完璧を目指すのではなく、“誰かのために”を大切にする本作の価値観と深くリンクしています。
9話は、一見おふざけ回のように見せながらも、「日常と非日常」「希望と絶望」「ギャグとシリアス」という二項対立の境界線を丁寧に描いた神回です。
偶然の美味しさが残した余韻は、視聴者の胸にじんわりと染み渡ったことでしょう。
10話「もうひとりのねりね」登場で物語が急展開!正体と過去を徹底分析
第10話で突如登場した「もうひとりのねりね」は、物語の方向性を根底から覆す存在として描かれます。
これまで積み上げてきた“少女たちの物語”に、SF的・哲学的な要素を加える衝撃のキャラクターでした。
彼女は本当にねりねなのか? それとも別の存在なのか?その謎に迫ります。
まず驚くべきは、彼女が記憶の断片を断続的に語る場面です。
語られる内容は、ねりねが一度も話したことのない“幼少期”や“ゆりとの出会い”に関するもの。
視聴者は混乱しながらも「この記憶は一体どこから来たのか?」と考え始めます。
結論から言えば、彼女は記憶の複製体(コピー人格)であり、ねりね本人ではないという設定が明かされます。
ただし重要なのは、「コピー」だからと言って“本物ではない”と切り捨てられない描写がなされている点です。
彼女もまた、“ゆりを想い、れんげたちを助けたい”という純粋な感情を持っているのです。
また、この回では「アンドヴァリ」が再びキーアイテムとして浮上します。
本来は一つであるはずのその武器が、「もうひとりのねりね」にも反応したことで、“記憶と武器は連動している”という設定が浮かび上がります。
これにより、本作の武器が「戦うための道具」ではなく、“過去と未来を繋ぐ媒体”であることが明示される形となりました。
さらに、“れんげ”と“もうひとりのねりね”が言葉を交わすシーンは、本作でも屈指の名場面のひとつです。
互いに自分を「本物」だと信じるふたりが、“感情で繋がっているなら、それでいい”と和解する瞬間は、視聴者の心を強く打ちました。
それは同時に、「個の定義」「アイデンティティ」という難解なテーマに対しての一つの答えでもありました。
10話は、急展開で世界の構造とキャラの本質に迫ったエピソードであり、
“少女たちの物語”が“記憶の継承と存在証明”へとシフトしていくターニングポイントでした。
“ねりねはねりねである”という言葉の重みが、最終話に向けた心の準備を促すように響きます。
11話〜13話まとめ考察:れんげとねりねの再会、そしてゆりの記憶の真相とは?
物語もいよいよ終盤へと突入した11話〜13話では、「記憶」と「存在」の真相が次々と明かされ、これまでの伏線が一気に回収されていきます。
中心となるのは、れんげとねりねの“再会”と、「存在しないはずのゆりの記憶」が意味するものです。
この3話は、作品テーマの核心に触れる最重要パートと言っても過言ではありません。
まず、11話では、れんげがかつて別れた“もうひとりのねりね”と再び対面を果たします。
ここで描かれるのは、“記憶の共有”を通じてつながる心と、生まれた役割の違いを乗り越える過程です。
ねりねは「自分はコピーでも、れんげを守りたかった」と告白し、れんげもまたそれを「自分のねりね」として受け入れる。
このシーンは、「オリジナル」と「コピー」という二元論を超え、“記憶を共有した存在は同じ価値を持つ”という、本作が投げかける強いメッセージでもあります。
同時に、これまで断片的に語られてきた「ゆりの記憶」に関する最大の謎も明かされます。
実は、れんげの中にある“ゆりの記憶”は、ねりねの記憶が誤って流れ込んだものだったのです。
この設定により、2話で死んだゆりが“全体の指針”として機能していた理由にも納得がいきます。
れんげは本当はゆりと深い関係性がなかったにもかかわらず、ゆりの意志を自分の中に感じていた。
それこそが、“受け継がれる意志”という本作の根底テーマの象徴だったのです。
12話では、バロールとの決戦が始まりますが、戦闘そのものよりも注目したいのは、ティルフィングをねりねが拒否し、れんげが最後まで戦い抜くと決意する姿勢です。
これは、力の継承ではなく、「記憶の継承」こそが未来をつなぐという考え方の具現化でした。
13話では、れんげが“最期の割烹”を行うシーンが描かれ、そこで再び仲間たちが一つになります。
この3話を通じて、本作が何度も描いてきた「料理」「記憶」「存在」の三つが交錯し、
すべてのキャラクターが自分の道を選び始めるターニングポイントとなりました。
ゆりという存在が実は「いなかった」に等しいという事実は衝撃的でしたが、彼女の記憶が誰かに引き継がれたことで“確かに生きた”という結論に導かれる構成は、まさに秀逸です。
最終話・14話解説|れんげの“飛翔”と死、残された少女たちの未来を読み解く
最終話となる第14話は、れんげとバロールの壮絶な戦いと、その“結末”が描かれました。
序盤から緊張感に満ちた空気の中、少女たちの旅は一つの到達点を迎えます。
ここでは、れんげが「自分の死」と引き換えに仲間と未来を守る選択をした、その意味を深掘りします。
れんげはティルフィングの最終形態を解放し、バロールとの相打ちという形で命を落とします。
この瞬間、彼女はもう“守られる少女”ではなく、誰かを守る“強き存在”へと変貌していたことがわかります。
飛翔とは、ただ空を舞うことではなく、自分の使命をまっとうし、次の世代へと繋ぐ“意志の飛躍”なのです。
彼女の死後、ティルフィングはえりかへと引き継がれます。
かつては臆病で涙ばかり流していたえりかが、れんげの意志を受け継ぎ、新たな盾となる展開には、多くの視聴者が涙したことでしょう。
この継承は、「力」ではなく、「心」の継承であり、本作の本質的なテーマでもあります。
そして最終盤、残された4人が新たな旅を始める場面で、新たな少女との出会いが描かれます。
大きなリボン、どこかれんげに似た面影、そして「こわい」が口癖の少女。
まるで“次の主人公”のような存在が登場したことで、「物語は続いていく」という希望が残されました。
最終話のサブタイトルに込められた「飛翔」は、れんげの物理的な死を示しながら、
少女たちが“未来へ跳ぶ”決意そのものを象徴しています。
絶望的な世界の中で、“誰かの死”を背負いながらも、誰かの料理で笑い、誰かの記憶で泣き、そしてまた歩き出す。
『もめんたりー・リリィ』最終話は、別れと希望、そして“命の継承”というテーマを見事に描き切った完結編でした。
れんげの飛翔は、視聴者一人ひとりの胸の中でも、静かにそして確かに羽ばたいたのです。
『もめんたりー・リリィ』最終回に泣いた人続出!?視聴者の感想と評価まとめ
『もめんたりー・リリィ』最終話放送後、SNSや各種レビューサイトでは「涙が止まらなかった」「今年一番泣いたアニメ」といった感想が相次ぎました。
作品の締めくくりとして、多くの視聴者の心に深く残るラストだったことが分かります。
本章では、視聴者の生の声と共に、その感動の理由を分析していきます。
まず目立ったのは、れんげの死と飛翔に対する賛辞です。
「覚悟を決めた顔が美しかった」「死が悲しいのに、未来を信じられるエンドだった」といったコメントが多く、
単なる“悲しい別れ”ではなく、“前向きな別れ”だったことが感動の核心となっていました。
また、「料理」と「死」をテーマにした構成が高く評価されています。
「食卓が心をつなぐ」という一貫したメッセージが、多くのファンの心に届いたことは明らかです。
特に「ラストの“割烹しながら旅を続ける4人”の姿に救われた」という声が多く、視聴後の余韻が非常に良かったという評価が多数見られました。
一方で、「構成が難解だった」「世界観の説明がやや足りなかった」という指摘も少数ながら存在します。
特に中盤以降、記憶と人格の話題が増えることで混乱を感じた視聴者もいたようです。
ただしそれでも、「分からない部分もあったけど、それを含めて何度も観たくなる作品」というポジティブな声に繋がっているのが本作の強みです。
さらに、最終話で登場した“新キャラの少女”のビジュアルについても話題に。
「れんげの再来か?」「この子が次の主役なら続編希望」といったコメントも多数寄せられ、
続編を期待する声が高まっていることがうかがえます。
総じて『もめんたりー・リリィ』は、“死と生”、“記憶と忘却”、“孤独と共同体”といった重いテーマを料理を通して優しく描き、
多くの視聴者に深い感動と思索の余韻を残しました。
視聴後、「もう一度最初から見直したい」と思わせる稀有な作品として、多くのファンの心に“確かな記憶”として刻まれたのです。
- 全話を通して“料理”が少女たちの絆を描く鍵となっている
- ゆりの死や“アンドヴァリ”の謎が物語の軸として深まる
- れんげの成長と最終回での“飛翔”が感動を呼ぶ
- ねりねの“もう一人”の正体が記憶と存在を巡る核心に迫る
- ギャグとシリアスが絶妙に交差する構成の妙
- 最終話で登場した新キャラが続編を予感させる
- 視聴者の間で「今年一番泣けたアニメ」として話題に
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