きのこいぬ全15巻あらすじ総まとめ|名シーンと泣ける重要回を厳選紹介!

日常
この記事を読むとわかること

  • 『きのこいぬ』全15巻のあらすじを巻ごとに詳しく解説!
  • 泣ける名シーンや重要な回の見どころを厳選紹介!
  • 物語を通して伝わる癒しと成長のメッセージを再発見!

「きのこいぬ」は、癒し系キャラ「きのこいぬ」と売れない絵本作家・ほたるが織りなす、心温まるストーリーが人気の全15巻完結の漫画作品です。

本記事では「きのこいぬ 全15巻 あらすじ 名シーン 重要回」の検索ニーズに応え、各巻のあらすじを丁寧にまとめ、特に心に残る名シーンや、読者の心を揺さぶる重要回を厳選してご紹介します。

これから「きのこいぬ」を読みたい方も、すでに読んだ方も、もう一度感動を味わえる内容になっています。

きのこいぬの感動を一気に振り返る!全15巻のあらすじダイジェスト

「きのこいぬ」は、漫画家・西原由実によって描かれたヒューマンドラマ作品で、KADOKAWAの「コミックジーン」で連載され、全15巻で完結しました。

きのこ頭の不思議な犬と売れない絵本作家・ほたるとの交流を中心に、日常に潜む孤独や心の痛み、そして小さな優しさを描き出しています。

シリーズ序盤では、孤独に暮らす主人公・ほたるが、ある日突然現れた「きのこいぬ」との出会いを通して、少しずつ心を開いていく過程が描かれます。

中盤では、きのこいぬの正体や存在理由が徐々に明らかになり、登場人物それぞれが過去と向き合う時間が増えていきます。

それぞれの傷や後悔が、きのこいぬの存在によって癒されていく構成は、読者の心にも深く響くものがあります。

終盤にかけて、物語は感情の起伏が激しくなり、別れや再会といった強いエモーションが展開されます。

特に第15巻のラストでは、ほたるときのこいぬが互いに成長し、未来へと進む決意をする姿が描かれ、静かで深い感動を呼びます。

全15巻を通じて「きのこいぬ」は、単なる癒し系漫画を超えた「人と人との繋がりの本質」を問いかける作品として、多くの読者に支持されてきました。

各巻の展開には明確なテーマと心に残るシーンがあり、再読するたびに新たな気づきを得られるような奥行きがあります。

これから読み始める人にはもちろん、過去に読んだ方にも再発見を促す、珠玉のシリーズと言えるでしょう。

第1巻~第5巻:きのこいぬとの出会いと絆の始まり

物語の幕開けは、主人公・ほたるという男性絵本作家の元に、ある日突然現れた不思議な生き物「きのこいぬ」から始まります。

頭にきのこが生えており、言葉を話すわけでもないが感情豊かで、人懐っこく、そして料理が得意という特異な存在が、読者の心をつかみます。

第1巻では、母親を亡くして心を閉ざしていたほたるが、きのこいぬとの触れ合いを通じて少しずつ生活に彩りを取り戻していく様子が描かれます。

孤独な大人と、言葉を持たない存在との無言のコミュニケーションが、この作品の大きな魅力です。

第2巻以降では、きのこいぬの過去や、どこからやって来たのかといった背景に少しずつ触れられ、ただの癒し系ストーリーにとどまらない深みが加わります。

また、第3巻ではほたるの姉・さつきが登場し、きのこいぬを「ただの野良動物」として厳しくあたる描写が加わり、家族の絆と、それに対する価値観の違いが物語に厚みを持たせています。

第4巻では、きのこいぬが町の人々と触れ合う中で、その存在が周囲にも影響を与え始め、少しずつほたるの周囲の人間関係が変化していきます。

そして第5巻では、ほたるが初めて自分の過去と正面から向き合い始め、きのこいぬが彼の人生にとって「癒し」以上の意味を持ち始めるのです。

この第1巻から第5巻の間には、「きのこいぬ」という存在がほたるの心を解きほぐし、同時に読者にも温かさと再生の可能性を伝える、大きなメッセージが込められています。

第6巻~第10巻:過去と向き合うほたる、試される関係

第6巻からは、これまで穏やかだった物語に少しずつ変化が訪れ、ほたるときのこいぬの関係が「癒し」から「試練」へと転じていきます。

ほたるは、母親の死による心の傷を乗り越えようとする一方で、父との確執や過去のトラウマと向き合う機会が増えていきます。

きのこいぬは言葉を発しないながらも、そっと寄り添い、沈黙の中で彼を支え続ける存在として、その絆はさらに深まっていきます。

第7巻では、かつての友人や恩師との再会をきっかけに、ほたるが自分の「絵本作家」としての道を問い直す展開に。

自己否定や挫折、そして再起といった感情の揺らぎが、静かな筆致で丁寧に描かれています。

第8巻〜9巻では、きのこいぬ自身の存在に関わる秘密が少しずつ明かされ、「彼は一体何者なのか?」という大きな謎が読者の関心を引き寄せます。

中でも第9巻は、物語の中でも特に重厚なテーマを内包する重要回で、きのこいぬとの間に一時的な別れが訪れる展開は、多くの読者の涙を誘いました。

第10巻では、別れを経て改めてお互いの存在の大切さを認識するという構成で、絆が試され、それを乗り越えたことで深まる関係性が描かれます。

この中盤は、ほたるの内面の成長と、きのこいぬの役割の変化を通じて、「人が再生するとはどういうことか?」を読者に静かに問いかけてくる、物語全体のターニングポイントと言えるでしょう。

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第11巻~第15巻:別れ、再会、そして未来へ

物語はいよいよクライマックスへと突入します。第11巻からは、ほたるときのこいぬの絆がさらなる試練に直面し、成長と別れをテーマにした切ない展開が続きます。

この巻では、きのこいぬの存在が「普通ではない」ことが明確になり、周囲との摩擦や社会的な違和感が描かれるようになります。

きのこいぬと共に生きていくことが現実的に難しくなっていく中で、ほたるは「本当に大切なものは何か」を模索し始めるのです。

第12巻では、大きな決断が求められる場面が訪れ、ほたるが自らきのこいぬと離れる選択をするという、物語の中でも特に衝撃的な展開が描かれます。

一時的な別れによって描かれる「喪失感」と「沈黙の時間」が、静かで深い感動を呼び起こします。

第13巻〜14巻では、それぞれが自分の道を歩み始め、新しい登場人物や舞台も加わる中で、再び運命が交差していく様子が描かれます。

この期間の描写は、人生における「再出発」や「許し」といったテーマと重なり、大人の読者層から特に高い評価を得ています。

そして最終巻・第15巻では、再会を果たした二人が静かに未来へと歩み出す姿が描かれます。

「さよなら」ではなく「ありがとう」で締めくくられるラストは、これまでの全ての物語を優しく包み込むような余韻を残します。

この終盤5巻は、「きのこいぬ」という存在がファンタジーではなく、人生の一部として深く刻まれていく過程を見事に描き切っています。

読者の心を打つ「きのこいぬ」の名シーンベスト5

「きのこいぬ」は全体を通じて、静かで深い感動を与える名シーンの宝庫です。

特に読者の心に残り続けるのは、きのこいぬの仕草や表情、そして言葉ではなく態度で語る優しさにあふれた瞬間です。

物語の随所に「泣ける」「癒される」「心が洗われる」と評される場面があり、それらは読者一人ひとりの人生経験と重なり合います。

たとえば第3巻では、ほたるが過労で倒れた夜、きのこいぬが一晩中そっと添い寝していたシーンがあります。

ただ黙って寄り添うだけの行動が、これほどまでに温かく、涙を誘う描写になるのは稀です。

また第7巻では、亡き母との記憶を語るほたるに対し、きのこいぬが料理を振る舞うシーンがあります。

母の味を再現することで、過去と向き合い、癒されるという演出が感動的に描かれています。

第10巻の再会の場面では、迷い込んだ山中で偶然きのこいぬと再び出会う奇跡的なシーンがあり、ほたるが初めて涙を流しながら「おかえり」と言う瞬間は、多くの読者が名場面として挙げる名シーンです。

さらに第13巻では、感謝の言葉として「ありがとう」を丁寧に綴る手紙を読むきのこいぬの場面があり、言葉がなくても伝わる想いの深さを象徴しています。

そして最終巻では、再会後にきのこいぬが少しだけ成長した姿で現れる描写があり、それは別れの痛みを越えた「未来への希望」を感じさせてくれます。

第3巻:きのこいぬが涙を流すシーンに隠された想い

「きのこいぬ」第3巻には、シリーズを通しても特に印象深いきのこいぬが涙を流す名シーンがあります。

それは、ほたるが母親の遺品を整理していた際、亡き母のことを語る場面で起きました。

きのこいぬはそれまで、基本的に笑顔や無邪気な行動が中心のキャラクターでしたが、この場面ではまるで人間のように目に涙をため、じっとほたるを見つめるのです。

言葉を持たないきのこいぬが見せる感情の表出は、それだけで読者の胸を打つものがあります。

この涙には明確なセリフが添えられているわけではなく、なぜ涙を流したのかの説明もありません

しかし、それがかえって読者の解釈を広げ、「きのこいぬも母の死を感じ取っていたのではないか」「ほたるの悲しみに共鳴したのではないか」という思いを抱かせます。

この場面が高く評価されている理由は、きのこいぬという存在が、ただの可愛いマスコットではなく、人の感情を映す鏡のような役割を担っていると分かるからです。

また、このエピソード以降、きのこいぬとほたるの関係性にはより深い信頼感が生まれ、物語が一層濃密になっていきます。

無言の涙が語る想い、それは言葉以上のメッセージとして、読者の心に強く刻まれるシーンなのです。

第7巻:母親との回想が語る「温もりの記憶」

第7巻は、ほたるの過去に深く切り込む構成となっており、その中でも特に胸を打つのが母親との回想シーンです。

ほたるの母はすでに故人であり、その死がほたるの創作意欲の低下や、対人関係の距離感の原因にもなっていました。

この巻では、幼い頃のほたるが母と一緒に過ごした時間を振り返る場面が挿入され、温もり、安心感、そして喪失の痛みが丁寧に描かれます。

とくに印象的なのは、母と作った家庭料理を再現しようとする場面です。

その料理を、きのこいぬが何も言わずに手伝い始める描写は、言葉を介さずとも通じる心の繋がりを象徴しています。

料理を通じて、母の存在や思い出が甦り、ほたるは長年避けてきた「母の死」と正面から向き合うことになります。

このエピソードが感動的なのは、回想という手法を用いながらも、それが現在のほたるの行動や選択に影響を与える「生きた記憶」として描かれている点です。

読者にとっても、自身の親との記憶や別れを重ね合わせる場面が多く、「自分も大切な人にもっと何かできたのではないか」と胸が締めつけられることでしょう。

母の手料理というモチーフを通じて、家族の絆や無償の愛を再確認できる、シリーズ屈指の名シーンです。

第10巻:一度離れたきのこいぬとほたるの再会

第10巻は、「きのこいぬ」シリーズの中でも最も劇的で感動的な再会シーンが描かれる巻として、多くの読者から高く評価されています。

物語の中盤で、きのこいぬはある出来事をきっかけに、ほたるのもとを離れます。

この別れは偶発的なものではなく、互いにとって必要な「成長の時間」として設定されている点が大きなポイントです。

その後、時間が経ち、心にぽっかり空いた穴を抱えたまま生活を続けていたほたるは、ある日偶然にも山中で迷い込んだ先で、再びきのこいぬと出会います。

無言で見つめ合い、ゆっくりと歩み寄る二人の姿は、言葉以上に深い感情を語っており、読み手に強い余韻を残します。

そして、ほたるが静かに発した「おかえり」という一言。

この短い言葉に、彼の全ての後悔と感謝、そして再出発への決意が込められているのです。

きのこいぬもまた、以前より少しだけたくましくなったような描写がなされ、二人の関係が「元通り」ではなく「新しい関係」へと進んだことを感じさせます。

このシーンは、人と人が本当に理解し合うには、時に距離や時間が必要だというメッセージを静かに伝えており、深い共感を呼びます。

再会の瞬間に交わされる沈黙が、あらゆるセリフよりも雄弁に、二人の絆の強さを物語っています。

第13巻:「ありがとう」のセリフが深く胸に刺さる瞬間

「きのこいぬ」第13巻では、シリーズを通しても屈指の感動的なセリフである「ありがとう」が、物語の鍵として深く読者の心に響きます。

この言葉が登場するのは、ほたるがあるきっかけできのこいぬに対する想いを手紙に綴る場面です。

普段は言葉少なで、不器用なほたるが、きのこいぬと過ごした日々を思い返しながら、自分がどれほど支えられてきたかを丁寧に語るその文面は、まさに本作ならではの静かな感動を呼び起こします。

手紙の最後に綴られた「ありがとう」の一言には、過去の後悔、感謝、そして新たな未来へ進もうとする覚悟が込められており、その重みは読者にも真っ直ぐ届きます。

特に印象的なのは、手紙を読んだきのこいぬが、その後そっと手紙を抱きしめる描写です。

言葉を持たないきのこいぬが、無言の仕草で感情を表現するこの場面は、本作が一貫して描いてきた「言葉にならない想い」の象徴とも言えるでしょう。

「ありがとう」は、シンプルな一語でありながら、人と人との関係性において最も大切な気持ちを表す言葉です。

このセリフが作品の終盤で登場することで、ここまで積み重ねてきた物語のすべてが報われる感覚を味わえます。

読者にとっても、身近な誰かに「ありがとう」を伝えたくなるような、優しさと余韻のあるシーンです。

最終巻:ラストページの一言が語る全て

「きのこいぬ」最終巻となる第15巻は、これまでの物語の集大成であり、ラストページに記されたたった一言が、全巻を通して伝えたかったメッセージを凝縮しています。

シリーズの終盤では、きのこいぬが一時的に姿を消し、再びほたるの前に現れるまでの空白の時間が丁寧に描かれます。

その再会の後、彼らは新たな日常を迎え、日々を静かに穏やかに過ごしていきます。

読者がページをめくるその最後、ほたるが小さく口にする言葉、それが「行こう、きのこいぬ」です。

この短い一言には、過去を受け入れ、喪失を乗り越え、今を大切に生きながら、未来へ歩き出そうとする決意が込められています。

それは別れでもなく、完結でもなく、「これからも続く時間」を予感させる優しい終幕です。

このラストが特に秀逸なのは、派手な演出も感情の爆発もなく、あくまで静けさの中で物語が締めくくられることにあります。

その静けさが、かえって読者の心に強く残り、読み終わったあとに深い余韻と満足感をもたらします

「行こう、きのこいぬ」は、これまで支え合ってきた二人の未来に向けた合図であり、読者自身への「人生は続く」という励ましの言葉でもあるのです。

見逃せない!物語の核心に迫る重要回を徹底解説

「きのこいぬ」は、日常のささやかなやりとりや感情の変化を丁寧に描く作品ですが、全15巻の中には物語の軸を揺るがすような重要回がいくつか存在します。

それらは単なるストーリーの進行に留まらず、登場人物たちの価値観や関係性、そして「生き方」にまで影響を与えるターニングポイントとなっています。

例えば第5巻では、きのこいぬの生態や過去について断片的な情報が提示され始めます。

それまでは“癒し系マスコット”のように扱われていた彼の存在が、一転して「何者なのか?」という謎を読者に投げかける展開です。

続く第9巻では、きのこいぬがほたるのもとを離れる決断を下し、一時的に二人が離別するという衝撃的な内容が描かれます。

ほたるにとってこの出来事は大きな心の転機となり、自立と再生への一歩を踏み出す契機となります。

さらに第12巻では、再会を目前にした中で、過去の未解決な感情や後悔と向き合う構図が展開され、精神的な成熟が大きく描かれます

そして最終巻での「行こう、きのこいぬ」に至るまでの数話は、これまでのすべての伏線が回収される流れとなっており、物語としての完成度が際立つ構成です。

こうした重要回を見逃すことなく読むことで、「きのこいぬ」が単なる癒しの物語ではなく、人生そのものに寄り添う哲学的な作品であることが理解できるはずです。

第5巻:きのこいぬの正体が少しずつ明かされる

「きのこいぬ」第5巻は、物語の中でも大きな転機となるエピソードが含まれており、きのこいぬの存在に対する謎が徐々に明らかになっていく重要な巻です。

それまで、きのこいぬは「話せない」「料理ができる」「人の感情に敏感」といった特徴を持つ不思議な存在として描かれてきましたが、この巻では、人間のような行動をとる理由や、知識の出所についての断片的なヒントが登場します。

物語の中盤、ほたるがきのこいぬの行動に「既視感」を覚える場面があります。

それは、亡き母の口癖や習慣と酷似している描写であり、読者に「きのこいぬは誰かの記憶を継承しているのでは?」という疑念を抱かせる仕掛けです。

また、地元の植物学者の登場により、きのこいぬの頭に生えたきのこが実在の品種に近いことや、人の感情に反応する成分を持つ可能性があることが示唆されます。

科学とファンタジーの境界がぼやけるこの展開は、きのこいぬというキャラクターの多面性を際立たせる構成となっています。

読者はこの巻を通して、きのこいぬの可愛さや癒しだけではなく、「なぜこの存在がほたるの前に現れたのか?」という核心に一歩近づくことになります。

シリーズ後半へと続く謎と感情の伏線が随所に張り巡らされており、読み返すほどに新たな気づきが得られる構成です。

第9巻:ほたるの決断とその葛藤

第9巻は、「きのこいぬ」全15巻の中でも物語の方向性を大きく変える決断が描かれる、最重要エピソードのひとつです。

この巻でほたるは、自身の人生と真剣に向き合う局面に立たされます。

「このままきのこいぬと一緒に暮らすことは本当に彼の幸せなのか?」という問いが、心の中に重くのしかかってきます。

日々を共に過ごし、癒しや支えをもたらしてくれるきのこいぬですが、その存在が「家族」である一方で「謎の生命体」であることも、ほたるは強く意識し始めます。

そして、外部の人間(動物保護団体や研究者)との接触がきっかけとなり、きのこいぬをこのまま身内に囲っておくことが果たして正しいのかどうか、激しく揺れ動くのです。

その葛藤の末に下した決断が、「きのこいぬを手放すこと」でした。

これはほたるにとって、人生最大の犠牲であり、成長の証でもあります。

涙ながらに見送るシーンでは、「きのこいぬの未来を信じたい」という強い想いが語られ、読者の涙腺を大きく刺激します。

この巻では「大切なものを守るとは、そばにいることではなく、自由を与えることかもしれない」という深いテーマが提示され、物語全体の精神的深度を一段階押し上げます。

人間のエゴと愛情の境界について、読者に重い問いを投げかけてくる、まさにターニングポイントです。

第12巻:大きな別れが訪れる、涙の展開

「きのこいぬ」第12巻は、シリーズ全体を通して最も感情的なクライマックスを迎える巻のひとつであり、読者の涙を誘う名シーンが数多く詰まっています。

物語の中で、ほたるときのこいぬの絆はここまで幾多の困難を乗り越えて深まってきましたが、ついに「決定的な別れ」が避けられない状況に追い込まれます。

それは、外部からの強制的な要請ではなく、ほたる自身の意志によって下されたもの。

きのこいぬが人と違う存在であること、いつか彼にとってもっと自由で幸せな場所が必要になることを理解したうえでの、苦渋の決断でした。

この巻の中盤では、きのこいぬ自身もその別れを予感しているかのような態度を見せ、二人の間に交わされる言葉なきやりとりが、逆に深い情感を生み出します。

そして、ほたるが静かに告げる「ありがとう、でももう行っていいんだ」というセリフ。

その一言は、愛情と別れが共存する究極の優しさとして、読者の胸に深く刺さります。

きのこいぬが去った後の、空っぽになった部屋で佇むほたるの背中が描かれるラストカットは、喪失の重さと、それでも生きていく強さを静かに物語っています。

この12巻を通して、「きのこいぬ」はただの癒し系キャラクターではなく、人生そのものと向き合うための“きっかけ”の象徴であると再認識させられる展開となっています。

第15巻:静かに迎えるラストと成長の証

「きのこいぬ」最終巻である第15巻は、物語の締めくくりとしてふさわしく、静かで温かく、そして確かな成長を感じさせるラストが描かれています。

前巻での別れを経て、時間が流れた後の再会は、偶然ではなく運命のように静かに、そして自然に描かれます。

再び現れたきのこいぬは、以前より少しだけ背が伸び、ほんのわずかにたくましくなった姿。

その変化は、彼自身の成長だけでなく、別れによって得た時間が、無駄ではなかったことを読者に伝えています。

そして、再会した二人が交わす会話はほとんどなく、日常の中にすっと溶け込んでいく描写が印象的です。

ほたるがぽつりと呟く「行こう、きのこいぬ」というセリフ。

その一言には、過去の全ての出来事が昇華され、未来への穏やかな決意が込められています。

華やかな演出や劇的なエンディングではなく、あくまで“今まで通り”の静かな時間が戻ってくるという形で物語が終わる点が、この作品の最大の魅力です。

読後には「きのこいぬ」がいない日常にも、きっと彼のような存在がそっと寄り添っているのではと感じさせてくれる、余韻ある終幕でした。

第15巻は、「別れ」「再会」「成長」「希望」といったテーマをすべて内包しつつ、それを過度に語らずとも伝える“静かな強さ”が光る一冊となっています。

きのこいぬ全15巻を読んで感じた温もりと優しさのまとめ

「きのこいぬ」全15巻を通して感じるのは、心にそっと寄り添ってくれるような優しさと、登場人物たちの静かな成長です。

本作は一貫して、大きな事件や劇的な展開に頼ることなく、日常の中に潜む「孤独」「葛藤」「再生」を丁寧に描いてきました

主人公・ほたるの過去の傷や、不器用な人間関係、そして“きのこいぬ”という不思議な存在との出会いを通じて、読者は誰しもが持つ“心の奥の痛み”にそっと触れることになります。

そしてその痛みは、言葉ではなく仕草や空気感で癒されるという、この作品ならではの表現によって、よりリアルに感じられるのです。

きのこいぬの存在は、ただ可愛いだけのマスコットではなく、「癒し」と「変化」を運ぶ象徴的なキャラクターとして描かれています。

また、母親との記憶や、別れと再会、そして成長と未来への一歩など、誰にでも訪れる人生の節目をやさしく肯定する物語でもありました。

読み終えた後には、きっとあなたの中にも「きのこいぬ」が棲みついたような、そんな温かい感覚が残るはずです。

何度でも読み返したくなる、優しさと再生の物語──それが『きのこいぬ』です。

この記事のまとめ

  • 『きのこいぬ』全15巻のあらすじを丁寧に解説
  • 涙を誘う名シーンと心に残るセリフを厳選紹介
  • 物語の鍵を握る重要回とその背景を深掘り
  • きのこいぬとほたるの絆と成長の軌跡を描く
  • 読後に優しさが広がる“癒し系”漫画の決定版

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